主要ゼネコン20社が公表している2021年度の有価証券報告書をもとに、平均年収ランキングを作成しました。
この記事のポイント
- ゼネコン20社の平均年収は891万円
- 平均年収トップは鹿島建設
- 年収アップは8社
- 年収ダウンは12社
ゼネコン20社の平均年収
各社の2021年度の平均年収を集計したところ、今回調査対象としたゼネコン20社の平均年収は891万円でした。
全上場企業の平均年収は600万円前後のため、今回調査したゼネコンはいずれも上場企業の相場より高めの年収であることがわかります。
内訳を見てみると、1,000万円台が2社、900万円台が6社、800万円台が10社、700万円台が2社となりました。
各社の有価証券報告書をもとに作成。持株会社の高松コンストラクショングループ(高松建設の持株会社)とインフロニア・ホールディングス(前田建設工業の持株会社)は対象外としています。
トップは鹿島建設の1,128万円
2021年度のトップは鹿島建設で、平均年収は1,128万円でした。前年度から7万円減少したものの首位の座はキープ。2位を100万円以上引き離し、ゼネコン20社のなかで頭ひとつ抜けた水準となっています。
2位は大林組で、平均年収は1,025万円。鹿島建設と同じく前年度から7万円の減少となりました。
3位の竹中工務店は、前年度から17万円減の990万円。これまでは4年連続で1,000万円を超えていましたが、2021年度は2016年度ぶりに900万円台へと落ち込みました。
大幅アップは熊谷組
ゼネコン20社のなかで、平均年収がアップしたのは全部で8社。なかでも特に増えたのは、14位の熊谷組です。
熊谷組の平均年収は841万円で、前年度から39万円増加しました。一方で業績を見てみると、2021年度は売上高が前年度比5.6%減の4,252億円、営業利益が同19.0%減の227億円と減収減益になっています。
大幅減は東急建設
ゼネコン20社のなかで、平均年収がダウンしたのは12社。特に減少幅が大きかったのは、20位の東急建設です。
東急建設の平均年収は733万円で、前年から127万円減少。前年度の調査では13位にランクインしていましたが、2021年度は最下位となりました。
東急建設の2021年度業績を見てみると、売上高は前年度比11.5%増の2,581億で増収ですが、営業損益は61億円の赤字。工事で不具合が発覚して合計100億円以上の損失見込み額を計上したことや、工事の遅れによる経費増加、工事費の増加などが響いています。
スーパー・準大手・中堅…年収の差は?
2021年度の集計ではスーパーゼネコンがトップ5を占める結果となりましたが、やはり売上高が高い企業のほうが平均年収も高いのでしょうか。
ゼネコン20社のうち、2021年度の売上高が1兆円以上の企業をスーパーゼネコン、3,000億円以上の企業を準大手ゼネコン、3,000億円未満の企業を中堅ゼネコンに区分し、それぞれの平均年収を算出してみました。
その結果、スーパーゼネコン5社の平均年収は1,017万円、準大手ゼネコン7社の平均年収は864万円、中堅ゼネコン8社の平均年収は837万円となりました。
【区分の内訳】スーパーゼネコン5社…鹿島建設、大林組、竹中工務店、清水建設、大成建設/準大手ゼネコン7社…長谷工コーポレーション、戸田建設、三井住友建設、安藤ハザマ、五洋建設、熊谷組、西松建設/中堅ゼネコン8社…東亜建設工業、奥村組、淺沼組、東洋建設、飛島建設、福田組、大豊建設、東急建設
スーパーゼネコンの平均年収は、準大手ゼネコンを150万円以上上回る結果に。一方、準大手ゼネコンと中堅ゼネコンの差は27万円で、大きな開きはないことがわかりました。
ゼネコンの年収はいくら上がった?10年前と比較してみた!
ゼネコン各社の収入を初任給で比べてみると……?
ゼネコン売上高ランキングをチェック!
(セコカンプラス編集部)