【最新版】ゼネコン20社の売上高ランキング

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主要ゼネコン20社が公表している2021年度の有価証券報告書をもとに、最新のゼネコン売上高ランキングを作成しました。

この記事のポイント

  • ゼネコン売上高トップは鹿島建設
  • 売上高がアップした企業・ダウンした企業は10社ずつ
  • 営業利益は、減少傾向の企業が多い

ゼネコン20社の売上高

まずは、ゼネコン20社の2021年度の売上高を一挙に紹介します。

【ゼネコン20社の売上高ランキング(2021年度)】1位/鹿島建設/2兆797億円/前年度比:9.0%|2位/大林組/1兆9,229億円/前年度比:8.8%|3位/大成建設/1兆5,432億円/前年度比:4.3%|4位/清水建設/1兆4,830億円/前年度比:1.8%|5位/竹中工務店/1兆2,604億円/前年度比:1.8%|6位/長谷工コーポレーション/9,097億円/前年度比:12.4%|7位/戸田建設/5,015億円/前年度比:-1.1%|8位/五洋建設/4,582億円/前年度比:-2.7%|9位/熊谷組/4,252億円/前年度比:-5.6%|10位/三井住友建設/4,033億円/前年度比:-4.4%|11位/安藤ハザマ/3,403億円/前年度比:-3.4%|12位/西松建設/3,238億円/前年度比:-3.7%|13位/東急建設/2,581億円/前年度比:11.5%|14位/奥村組/2,425億円/前年度比:9.9%|15位/東亜建設工業/2,198億円/前年度比:15.9%|16位/福田組/1,798億円/前年度比:-3.2%|17位/大豊建設/1,565億円/前年度比:-3.2%|18位/東洋建設/1,525億円/前年度比:-11.8%|19位/淺沼組/1,355億円/前年度比:-2.5%|20位/飛島建設/1,177億円/前年度比:0.3%

各社の有価証券報告書をもとに作成。持株会社の高松コンストラクショングループ(高松建設の持株会社)とインフロニア・ホールディングス(前田建設工業の持株会社)は対象外としています。

2020年度は鹿島建設が7年ぶりに首位を奪還するといった動きがありましたが、2021年度のランキングはほぼ変動がありませんでした

また、前年度から売上高がアップした企業・ダウンした企業は、それぞれ10社ずつという結果に。ランキング1~6位の企業は、いずれも前年度より売上高がアップしていることがわかりました。

鹿島建設は、前年度からトップを維持

2021年度のランキングトップになったのは鹿島建設で、売上高は2兆797億円でした。スーパーゼネコンのなかで最も伸び幅が大きく、売上高は前年度比9%アップという結果に。

なお、今回の集計で売上高が2兆円を超えたのは鹿島建設のみとなっています。

好調の背景にあるのが、北米・欧州における流通倉庫の自社開発などの伸び。インターネット販売市場の活況を受けて物流倉庫の需要が増し、売却額が高まっています。

長谷工コーポレーションがスーゼネに迫る

6位は長谷工コーポレーションで、売上高は9,097億円でした。売上高は前年度から12.4%アップしており、スーパーゼネコン5位の竹中工務店に迫る勢いとなっています。

好調の要因として挙げられるのが、子会社が注力しているマンション分譲事業の引き渡し戸数の増加と、コロナ禍の影響を受けていた大規模修繕工事・リフォーム工事の回復。2022年度においても、施工件数や引き渡し戸数の増加が予想されており、増収増益が続く見通しです。

企業規模別の業績は…

2021年度は新型コロナウイルス感染症による工事の遅延や、建築資材の高騰といった課題も多かった一年ですが、業績にはどのような影響があらわれているのでしょうか?

今回調査対象となった20社を、売上高の規模別にスーパー・準大手・中堅ゼネコンに分け(※)、各社の2021年度の業績動向をくわしく見ていきます。

※2021年度の売上高が1兆円以上の企業をスーパーゼネコン、3,000億円以上の企業を準大手ゼネコン、3,000億円未満の企業を中堅ゼネコンに分類しています。

スーパーゼネコン5社

【スーパーゼネコン5社の売上高・営業利益】鹿島建設/売上高(2021年度) 2兆797億円/前年度比 9.0%/営業利益率(2021年度) 1,233億円/前年度比 -3.1%|大林組/売上高(2021年度) 1兆9,229億円/前年度比 8.8%/営業利益率(2021年度) 411億円/前年度比 -66.7%|大成建設/売上高(2021年度) 1兆5,432億円/前年度比 4.3%/営業利益率(2021年度) 961億円/前年度比 -26.4%|清水建設/売上高(2021年度) 1兆4,830億円/前年度比 1.8%/営業利益率(2021年度) 451億円/前年度比 -54.9%|竹中工務店/売上高(2021年度) 1兆2,604億円/前年度比 1.8%/営業利益率(2021年度) 463億円/前年度比 16.6%

スーパーゼネコン5社の2021年度の売上高は、いずれも前年度比プラス。なかでも鹿島建設・大林組が前年度から8~9%増加と、残り3社を引き離す結果となりました。

一方で営業利益に注目すると、前年度から増加していたのは竹中工務店の1社のみ。営業利益は、前年度比16.6%アップの463億円という結果になりました。建設市場が回復に転じたことや、海外における観光需要の回復による開発事業の好況が、営業利益アップの要因とされています。

一方で大林組は営業利益が大幅に減少しており、前年度比66.7%減の411億円という状況。国内の大規模工事において、複数件で工事損失引当金を計上したことが主な要因となっています。

準大手ゼネコン7社

【準大手ゼネコン7社の売上高・営業利益】長谷工コーポレーション/売上高(2021年度) 9,097億円/前年度比 12.4%/営業利益率(2021年度) 827億円/前年度比 13.4%|戸田建設/売上高(2021年度) 5,015億円/前年度比 -1.1%/営業利益率(2021年度) 244億円/前年度比 -12.0%|五洋建設/売上高(2021年度) 4,582億円/前年度比 -2.7%/営業利益率(2021年度) 159億円/前年度比 -47.7%|熊谷組/売上高(2021年度) 4,252億円/前年度比 -5.6%/営業利益率(2021年度) 227億円/前年度比 -19.0%|三井住友建設/売上高(2021年度) 4,033億円/前年度比 -4.4%/営業利益率(2021年度) -75億円/前年度比 -147.9%|安藤ハザマ/売上高(2021年度) 3,403億円/前年度比 -3.4%/営業利益率(2021年度) 266億円/前年度比 -2.8%|西松建設/売上高(2021年度) 3,238億円/前年度比 -3.7%/営業利益率(2021年度) 235億円/前年度比 12.4%

準大手ゼネコン7社の売上高は長谷工コーポレーションのみ増加しており、残る6社は前年度比で約1~6%ほどのマイナスに。

営業利益も前年度より減少している企業が大半です。増加していたのは2社のみで、長谷工コーポレーションが前年度比13.4%増、西松建設が前年度比12.4%増でした。

長谷工コーポーレーションは、先述のとおり大規模改修工事・リフォーム工事の好調が営業利益にも反映される結果に。西松建設は、国内外の土木工事や不動産事業で売上総利益が増加したことにより、業績を伸ばしています。

一方、三井住友建設は75億円の営業損失を計上しており、苦戦している状況。大型工事において想定外の要因により工法変更を余儀なくされた結果、採算が大幅に悪化したことが原因とされています。

中堅ゼネコン8社

【中堅ゼネコン8社の売上高・営業利益】東急建設/売上高(2021年度) 2,581億円/前年度比 11.5%/営業利益率(2021年度) -61億円/前年度比 -271.3%|奥村組/売上高(2021年度) 2,425億円/前年度比 9.9%/営業利益率(2021年度) 126億円/前年度比 -1.8%|東亜建設工業/売上高(2021年度) 2,198億円/前年度比 15.9%/営業利益率(2021年度) 99億円/前年度比 13.3%|福田組/売上高(2021年度) 1,798億円/前年度比 -3.2%/営業利益率(2021年度) 89億円/前年度比 -0.2%|大豊建設/売上高(2021年度) 1,565億円/前年度比 -3.2%/営業利益率(2021年度) 89億円/前年度比 -2.3%|東洋建設/売上高(2021年度) 1,525億円/前年度比 -11.8%/営業利益率(2021年度) 96億円/前年度比 -32.6%|淺沼組/売上高(2021年度) 1,355億円/前年度比 -2.5%/営業利益率(2021年度) 48億円/前年度比 -8.6%|飛島建設/売上高(2021年度) 1,177億円/前年度比 0.3%/営業利益率(2021年度) 46億円/前年度比 14.5%

中堅ゼネコン8社の売上高は、増加・減少している企業が4社ずつという結果に。東急建設、奥村組、東亜建設工業の3社の伸びが大きく、売上高は前年度比で約10~16%アップしていました。

営業利益は全体的に減少傾向が見られ、前年度から増加していたのは2社のみ。東亜建設工業が前年度比13.3%アップ飛鳥建設が前年度比14.5%アップでした。両社とも、前年度に新型コロナウイルス感染症の影響で稼働していなかった海外工事の再開や、工事採算性の向上が、営業利益の改善に直結したようです。

なお、営業利益が減少した企業に注目すると東急建設の減少幅が特に大きく、前年度の35.5億円から転じて営業損失61億円を計上。施工中の工事の不具合や、引渡し物件の補修費用の発生、海外工事の採算悪化といった複数の要因が影響しているようです。

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(セコカンプラス編集部)

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