内定後でも入社日を変更できる?相談可能なケースと連絡方法

更新日

退職交渉が難航している場合や、業務整理に時間がかかっている場合などでは、内定後に入社日の調整が必要となる可能性もあります。

実際のところ、内定後に入社日を調整することはできるのでしょうか。施工管理専門のキャリアアドバイザー・荒木啓太氏にお話を伺い、内定後でも入社日を調整できるケースの特徴と、内定先への連絡方法をまとめました。

内定後でも入社日を調整できるケース

前提として、退職日が想定よりも後ろ倒しになりそうな場合は、入社日ではなく退職日を調整するのが基本です。一方で、こちらの3つの特徴にすべて当てはまる場合は、内定後でも入社日の調整に応じてもらえる可能性があります。

【入社日を調整できるケースの特徴】1. 業務の都合で、入社日を調整するしかない状況である/2. 入社後に配属される案件が決まっていない/3. 内定先が全国に拠点がある大手企業である

なお、この3つの特徴に当てはまらない場合でも、入社日の調整を相談すること自体は可能ですが、リスクがあります。くわしくは「入社日の相談にはリスクがつきもの」で確認してください。

1.業務の都合で、入社日を調整するしかない状況である

業務の都合でどうしても退職日を調整できない場合は、入社日を調整できる可能性が高まります。

具体的には、監理技術者を担当している案件が予期せず工期延長になった場合や、監理技術者として配置される予定の案件が知らないうちに決まっていた場合などで、なおかつ退職日の再調整を断られたケースが当てはまります。

2.入社後に配属される案件が決まっていない

まだ配属案件が決まっていなければ柔軟な対応ができるため、入社日の調整に応じてもらえる可能性が高まるでしょう。

具体的には、求人に「◯月から△△△の案件を担当」と書かれていない場合や、面接や内定後の連絡で配属案件を知らされていない場合が当てはまります。

3.内定先が全国に拠点がある大手企業である

全国に拠点がある大手企業は比較的人数が多いため、内定者が入社日を変更してもほかの社員でカバーできる可能性があります。このため、中小規模の企業よりも入社日の調整に応じてもらいやすくなっています。

キャリアアドバイザーより

上記のほか、面接で入社日について話をしたときの雰囲気も参考になります。

「◯月に入社できるなら内定を出すよ」のように入社時期ありきの内定だった場合は調整が難しいですが、「◯月に入社できるとありがたいけど、先のことはわからないよね」のように、状況の変化に理解を示す表現をしていた場合は、調整に応じてもらえる可能性があるかもしれません。

反対に、入社日の調整が難しいケースは?

では、どのようなケースだと入社日の調整が難しいのでしょうか。

内定後でも調整ができるケースの裏返しになりますが、ポイントはこちらの3つ。このうちいずれかの特徴に当てはまる場合は入社日の調整が難しいため、退職日を再調整するのが得策です。

【入社日の調整が難しいケースの特徴】 1. 個人的な都合で、入社日の調整を希望している/2. 入社後に配属される案件が決まっている/3. 内定先が中小規模の企業である

1.個人的な都合で、入社日の調整を希望している

個人的な都合による入社日調整のお願いは、内定先からの印象悪化につながるリスクがあるため特に注意が必要です。

具体的には、ボーナスをもらってから退職したい場合や、有給休暇を使い切ってから退職したい場合などが当てはまります。もちろん有給休暇は使い切れるものですが、応募段階で残日数を把握していれば、「◯月入社じゃないと有給を消化できない」などと事前に目処を立てておくことは可能だったはず。後出しで入社日の調整をお願いすることにもなるため、印象悪化につながってしまいます。

2.入社後に配属される案件が決まっている

すでに配属先や配属時期が決まっていれば、入社日の調整は難しいと思っておいたほうがいいでしょう。

具体的には、求人に「◯月から△△△の案件を担当」と書かれている場合や、面接や内定後の連絡で配属案件を知らされている場合が当てはまります。

3.内定先が中小規模の企業である

中小規模の企業は、前任者が退職するタイミングに合わせて中途採用しているケースが多いため、突然の入社日変更には応じられない可能性があります。

企業規模の判断が難しい場合は、面接で入社日について話したときの雰囲気を参考にするのがおすすめ。企業側から「◯月に入社してほしい」などと希望日程を伝えられていた場合は、調整が難しいかもしれません。

キャリアアドバイザーより

「予想していたタイミングで退職できない」と気づいたときに重要なのは、現職での仕事をやり切ることと、転職先でスムーズに働き始めることの、どちらが大切なのかを考えること。

ケンカ別れのような退職は避ける必要がありますが、後者を優先するのであれば、退職日の調整を粘り強くお願いすることも必要になります。

入社日の相談にはリスクがつきもの

前述の入社日を調整できるケースのすべてに当てはまるなら、相談すること自体に大きなリスクはありません。

ただし、入社日を調整できるケースの一部にしか当てはまらない場合や、入社日の調整が難しいケースに該当する場合は、入社日の調整を依頼することで転職先からの印象が悪化して、入社後の働きづらさにつながってしまう可能性があるので注意が必要です。

このような場合で入社日の調整をお願いするしかないときは、入社日の調整は難しいと理解している姿勢を見せたうえで相談するのがポイントです。

入社日の調整が難しい場合の伝え方の例

「◯◯◯といった事情があり、もし可能であれば入社日の調整についてご相談をしたいのですが、難しいですよね……」

もし退職の引き止めにあっていて入社日の調整を検討している場合は、下記の記事で対処法を解説しています。

【例文付き】入社日を調整を相談するときのマナーと連絡方法

入社日の調整を相談する場合は、こちらの2つのポイントを守ることが大切です。事情はどうあれ無理なお願いをすることになるので、丁寧な対応を心がけましょう。

1. 入社日の1ヵ月前までに相談する/入社日まで1ヵ月を切っている場合は、できるだけ早く相談する|2. まずは電話で連絡して、その後メールも送る/電話でお詫びの気持ちを伝えた後、具体的な相談を進めるためにメールも送っておく

電話で連絡するときの会話例文

まずは、電話で連絡するときの会話例文を紹介します。電話では、入社日の調整をお願いしたいことと、お詫びの気持ちを伝えましょう。

お世話になっております。◯月に御社に入社予定の▲▲と申します。この度はご相談したいことがあり、お電話しました。ご担当の△△様はご在席でしょうか。

承知しました。少々お待ちください。

お電話代わりました。△△です。

お世話になっております。◯月に入社予定の▲▲です。この度は入社日についてご相談したいことがありお電話を差し上げたのですが、ただ今お時間はよろしいでしょうか。

はい、大丈夫ですよ。

ありがとうございます。大変申し上げにくいのですが、現在監理技術者を担当している案件で、予期せず工期の延長が決まってしまいました。

現職の上司に相談したものの後任を立てることができず、もし可能であれば入社日を◯月にご変更いただけないでしょうか。

◯月に変更ですね。承知しました。部門担当者への確認が必要になりますので、改めてご連絡させていただきます。

ありがとうございます。このようなタイミングでのお願いとなってしまい、大変申し訳ございません。

お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。それでは失礼いたします。

メールで連絡するときの例文

電話での連絡を終えたら、メールでも連絡をしておきましょう。メールでは、改めて入社日の調整をお願いしたいことと、対応の可否を確認したいことを伝えるのがポイントです。

なお、選考に関するやり取りが電話や書面のみでメールアドレスがわからない場合は、メールでの連絡は不要です。

件名:入社日ご調整のお願い(氏名)
本文:
株式会社◯◯◯
人事部 △△様

お世話になっております。
▲▲と申します。

先程は、お電話でのご対応を誠にありがとうございました。
改めて、メールでもご連絡をさせていただきます。

◯月入社予定で内定をいただきましたが、現在監理技術者を担当している案件で、工期延長が決まりました。
現職の上司に相談したものの、後任を立てることができない状況です。

つきましては、このようなタイミングで大変申し訳ございませんが、入社日を◯月にご変更いただくことは可能でしょうか。

無理を申しまして大変恐縮ですが、ご検討のほど、何卒よろしくお願いいたします。

——————
署名
——————

監修者

荒木 啓太
株式会社クイック キャリアアドバイザー

施工管理をはじめとした、建設業界専門のキャリアアドバイザー。特にハイクラス層の転職支援に強みがある。現在はチームマネージャーを務めており、建設業界内の動向はもちろん、各企業の内情にも精通している。

転職について相談したい
経験を活かせる求人を知りたい

お気軽にご相談ください

セコカンプラスおすすめ記事