経営事項審査の点数を上げるには?現実的にできる3つの方法

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経営事項審査の総合評定値の点数を上げるには、どんな方法があるのでしょうか?

この記事では現実的な方法を中心に、点数アップの方法を紹介します。

経営事項審査の点数を上げるには?

経営事項審査の総合評定値は、5種類の指標の点数を合計したものです。

指標はX1:完成工事高X2:経営規模Y:経営状況Z:技術力W:その他の5つにわかれており、それぞれ点数計算に用いられる完成工事高などの数値を改善することで、点数を上げられるようになっています。

各指標の点数計算に使われる要素を、下記の表にまとめました。この中でも特に改善しやすい要素を、現実的に点数アップが狙える3つの方法で紹介します。

経営事項審査の評価項目と、計算に用いられる要素

評価項目 評価の要素
X1:完成工事高 平均完成工事高(2年分の平均、または3年分の平均)
X2:経営規模 自己資本額(1年分の金額、または2年分の平均)
平均利益額(直近2年分の平均)
Y:経営状況 純支払利息比率
負債回転期間
総資本売上総利益率
売上高経常利益率
自己資本対固定資産比率
自己資本比率
営業キャッシュ・フロー
利益剰余金
Z:技術力 技術職員数
平均元請完成工事高(平均する期間は、2年または3年)
W:その他 建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組の状況
建設業の営業年数
防災協定の締結の有無
法令順守の状況(営業停止処分、指示処分の有無)
建設業の経理の状況(会計監査人の設置の有無など)
研究開発の状況(研究開発費)
建設機械の保有台数
国または国際標準化機構が定めた規格の登録の有無(ISO、エコアクション21の登録の有無)

現実的に点数アップが狙える3つの方法

経営事項審査の点数をアップする方法のうち、比較的実行しやすい現実的な対処法を3種類紹介します。

  1. 完成工事高の集計期間を調整する
  2. 加点対象の技術者を、漏れなく登録する
  3. 加点対象になる技術者を増やす

1. 完成工事高の集計期間を調整する

X1:完成工事高の評価に使われる平均完成工事高は、2年間または3年間の平均で算出します。計算する期間は任意で選べるため、計算結果の金額が大きくなる期間を選択しましょう。

ただし、Z:技術力の平均元請完成工事高の期間と合わせる必要や、複数業種で申請する際にすべての業種で計算期間を合わせる必要があるので注意してください。

2. 加点対象の技術者を、漏れなく登録する

経営事項審査の際に重要なのが、Z:技術力W:その他の加点対象となる技術者を漏れなく登録すること。

制度改正によって対象になる人が増えているので、下記の情報で改めて実態を確認しておきましょう。

Z:技術力の加点対象になる技術者

Z:技術力の点数の加点対象となる技術者は6種類。2021年の経営事項審査の改正によって監理技術者補佐も加点対象となったので、忘れずに登録しましょう。

なお加点の対象となるのは、雇用期間が6ヵ月以上かつ、審査基準日(直前の決算期末日)に在籍していた技術者のみなので注意してください。

技術者の種類 対象となる人 評点
1級監理受講者
  • 技術者を対象とする1級の国家資格、または技術士法に基づく資格を有しており、監理技術者資格者証の交付を受けている人(※)

※なおかつ、監理技術者講習の有効期間内である人。有効期限は、監理技術者講習を修了した翌年から5年間

例)各種1級施工管理技士、1級建築士 …など

6点
1級技術者
  • 技術者を対象とする1級の国家資格を有している人(※)
  • 技術士法に基づく資格を有している人(※)

※1級監理受講者に該当する人は除く

例)各種1級施工管理技士、1級建築士 …など

5点
監理技術者補佐
  • 監理技術者補佐の資格を有している人

例)各種1級施工管理技士補 …など

4点
基幹技能者等
  • 登録基幹技能者講習の修了者
  • 能力評価基準により、レベル4と判定された人

例)登録電気工事基幹技能者 …など

3点
2級技術者
  • 能力評価基準により、レベル3と判定された人
  • 技術者を対象とする2級の国家資格を有している人
  • 技能者を対象とする1級の国家資格を有している人 …など

例)各種2級施工管理技士、2級建築士、第1種電気工事士、1級左官技能士 …など

2点
その他技術者
  • 技能者を対象とする2級の国家資格+実務経験を有している人
  • 実務経験による主任技術者 …など

例)第2種電気工事士+実務3年、電気主任技術者+実務5年、2級左官技能士+実務3年、実務経験10年の主任技術者 …など

1点

W:その他の加点対象になる技術者

W:その他においては「知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況」の点数計算に、技術者数・技能者数を使用します。

技術者数の計上対象となる人は下記の4種類。2021年からは1級技士補および2級技士補も技術者として数えられるようになったので、数え忘れが無いように注意しましょう。

技術者の種類 対象となる人
監理技術者になる
資格を有する人
■指定建設業の7業種の場合

  • 業種ごとに指定された1級国家資格などの資格を持っている人

■指定建設業以外の22業種の場合

  • 業種ごとに指定された1級国家資格などの資格持っている人
  • 一定期間以上の実務経験がある人
主任技術者になる
資格を有する人
  • 指定された1・2級国家資格を持っている人
  • 学歴に応じた、一定期間以上の実務経験がある人
  • 指定された、登録技能者の講習を受けている人
1級技士補
  • 1級施工管理技士の第一次検定に合格している人
2級技士補
  • 2級施工管理技士の第一次検定に合格している人

なお、「監理技術者・主任技術者になる資格を有する人」の要件を確認したい場合は、下記の2つの記事を参考にしてください。

▼監理技術者に必要な資格・実務経験の詳細は?

▼主任技術者に必要な資格・実務経験の詳細は?

3. 加点対象になる技術者を増やす

次回の審査に向けて、技術者を育成することも重要です。Z:技術力W:その他の加点に繋がる技術者を確認し、資格取得を促していきましょう。

特に、Z:技術力において1級技術者は、監理技術者資格者証を取得するだけで1級監理受講者となり、評点を上げられます。積極的に資格者証発行の申請をしていきましょう。

監理技術者資格者証の発行を申請する方法は?

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(セコカンプラス編集部)

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