現役施工管理1,492名を対象としたアンケート調査をもとに、通常期と繁忙期の残業時間ランキングを作成しました。前回の業種別ランキングに続き、今回は職種別ランキングをお届けします。
(1)建築(2)土木(3)電気(4)管工事の主要4職種のうち、最も残業が多いのはどの職種なのでしょうか。
【通常期】残業時間ランキング
まずは、通常期の1ヵ月あたりの残業時間ランキングからご紹介します。
管工事が47時間でトップ
通常期のトップは管工事施工管理で、1ヵ月あたりの平均残業時間は47.4時間でした。今回調査した施工管理の全体平均(37.3時間)より10時間以上多く、2位以下の職種と比べると頭ひとつ抜けた水準となっています。
2位は建築施工管理の36.0時間で、3位は土木施工管理の35.8時間。4位の電気工事(電気通信も含む)施工管理の1ヵ月あたりの残業時間は32.9時間で、1位の管工事施工管理とは14時間以上の差が開く結果となりました。
【繁忙期】残業時間ランキング
続いては、繁忙期の1ヵ月あたりの残業時間ランキングを見ていきましょう。
繁忙期も管工事がトップ
通常期と同じく、繁忙期の残業時間ランキングでも管工事施工管理がトップとなりました。1ヵ月あたりの残業時間は61.5時間で、通常期の47.4時間から約14時間のプラス。管工事施工管理は、時期を問わずほかの職種よりも残業が多い傾向にあるようです。
2位以下は僅差で、電気工事(電気通信も含む)施工管理は1ヵ月あたりの残業時間が通常期から21.4時間プラスの54.3時間となりました。
建築施工管理は17.4時間プラスの53.4時間、土木施工管理は17.5時間プラスの53.3時間との結果になっています。
実際、繁忙期は何時間残業しているのか
ここまでは全体をならした平均残業時間を見てきましたが、同じ職種でも残業時間は人それぞれ。実際のところは、何時間残業している人がどのくらいいるのでしょうか。
繁忙期の1ヵ月あたりの残業時間を20時間ごとに区切り、当てはまる人の割合を職種別でまとめました。黄色の枠は、それぞれの職種で最も多い残業時間を指しています。
残業時間の分布を調査した結果、管工事・電気・建築・土木すべての職種で、繁忙期の残業時間は80時間以上の人が最も多いことがわかりました。
ランキングトップの管工事施工管理では、80時間以上が3割を超えており、ほかの職種も3割近い水準です。
残業時間80時間以上は、一般的に過労死ラインといわれる水準です。しかし、繁忙期の施工管理にとっては80時間超えも珍しいことではないのが実情のよう。工期に追われる施工管理の過酷さが伺える結果となりました。
アンケートの概要
求人サイト『建設・設備求人データベース』の登録者にアンケートを送信し、現役の施工管理1,492名が回答した。
調査期間:2020年3月4日~3月11日
(セコカンプラス編集部)