現役施工管理1,492名を対象としたアンケート調査をもとに、通常期と繁忙期の残業時間ランキングを業種別で作成しました。
(1)ゼネコン(2)サブコン(3)専門工事会社(4)不動産管理会社(5)ハウスメーカー・工務店(6)プラント・エネルギーの主要6業種のうち、最も残業が多いのはどの業種なのでしょうか。
【業種別】通常期の残業時間ランキング
さっそく、通常期の1ヵ月あたりの残業時間ランキングから見ていきましょう。
通常期はゼネコンの残業時間が最も多い
6業種のなかで通常期の平均残業時間が最も多かったのは、ゼネコンで働く施工管理。平均残業時間は43.8時間で、今回調査した施工管理の全体平均である37.3時間を6.5時間上回る結果となりました。
2番目に多いのはサブコンで働く施工管理で、1ヵ月あたりの平均残業時間は41.9時間。3位は専門工事会社の35.1時間、4位は不動産管理の33.4時間が続いています。
ゼネコンは60時間以上の割合も高い
続いては、1ヵ月あたりの残業時間を20時間ごとに区切り、あてはまる人の割合を業種別でまとめました。黄色の枠は、それぞれの業種で最も多い残業時間を示しています。
通常期の業種別ランキングでトップとなったゼネコンで多いのは、1ヵ月あたりの残業時間が20~40時間の人と40~60時間の人。一見すると特別残業が多いようには思えませんが、注目すべきは60時間以上残業をする人の割合の高さです。
残業時間が少ない3業種(不動産管理会社、ハウスメーカー・工務店、プラント・エネルギー)は60時間を超える人の割合が10%以内に収まっているのに対し、ゼネコンは30%以上。1ヵ月あたりの残業時間を100時間以上と回答する人も珍しくありませんでした。
【業種別】繁忙期の残業時間ランキング
最後に、繁忙期の1ヵ月あたりの残業時間ランキングを紹介します。
繁忙期はサブコンの残業時間が最も多い
6業種のなかで繁忙期の残業時間が最も多いのは、サブコン勤務の施工管理で71.1時間でした。通常期の41.9時間と比べて29.2時間多く、繁忙期の過酷さがうかがえます。
2位はゼネコンで63.5時間、3位は専門工事会社で54.0時間と、通常期の残業時間ランキングと同様の顔ぶれがトップ3を固めており、ゼネコンとサブコンの順位は逆転する結果となりました。
不動産管理会社は繁閑の差が小さい
通常期と繁忙期にあまり差がないのは、不動産管理会社で働く施工管理です。通常期の33.4時間に対し繁忙期は37.5時間と、差は約4時間にとどまっていることがわかりました。
不動産管理会社の繁閑の差が少ないのは、受注する案件の性質が関係していると考えられます。
不動産管理会社は民間の改修工事が中心のため、公共工事のように年度末が立て込むのはレアケース。加えて改修工事は新築と比べて工期の予定が立てやすいため、突発的な対応が少ないことも繁閑の差に関係している可能性があるでしょう。
アンケートの概要
求人サイト『建設・設備求人データベース』の登録者にアンケートを送信し、現役の施工管理1,492名が回答した。
調査期間:2020年3月4日~3月11日
(セコカンプラス編集部)