電気工事施工管理が収入アップをねらう場合や、転職を考える際に無視できないのが資格です。「電気工事施工管理技士」は必須級の資格ですが、ほかにどんな資格を取得している人が多いのでしょうか?
この記事では、電気工事施工管理が取得していることが多い定番資格を3種類ご紹介します。
定番資格1:電気工事士
電気工事士は、電気工事の実務を行うために必要な国家資格です。実作業者向けの資格ですが、専門知識を養う目的で取得を推奨している企業もあります。
セコカンプラスで募集中の求人の場合、サブコンを中心に資格取得補助や資格手当を支給している傾向が見られました。
なお電気工事士の資格は、取り扱う電機設備の規模によって第一種・第二種に分かれているのが特徴。施工管理の場合は工場・ビル等の大型施設も担当できる第一種電気工事士を取得している人が多いようです。
取得するメリット
- 資格手当をもらえる企業が多い
- 電気工事の実務まで担当できるようになる(小規模な企業でニーズが高い)
- 不動産管理会社の設備管理に転職しやすい(設備を実際に触れるため)
- 独立しやすい(従業員を雇えなくても、自分で作業まで対応できるため案件をとりやすい)
- 主任技術者配置が可能になるため、企業から重宝される
取得方法・合格率
受験資格が特にないため、実務経験が必要な資格に比べて、取得のタイミングが自由な資格です(※)。
合格率は第二種で約40%、第一種だと約29%です。市販の参考書やアプリなどが充実しているので、それらを活用して試験対策するといいでしょう。
※ただし第一種電気工事士の場合、免状交付にあたって実務経験が必要になります。
定番資格2:電気主任技術者(電験三種)
電気主任技術者(電験三種)は、電気設備の保守・監督を行うための国家資格です。この資格を取得することで、事業用電気工作物の設置時に必要となる監督者(主任技術者)になることができます。
扱える電気工作物の電圧によって種類が分かれており、電験三種では5万V未満の電気工作物まで対応可能です。
施工管理の業務には直接関係ない資格ですが、「忙しくて休みが取れない」といった悩みを持つ施工管理が持っていると役に立つ資格です。待遇改善しやすいと言われている、設備保全系の仕事も選択肢に入るようになります。
取得するメリット
- 企業から需要が高く、取得後に手当が出ることが多い
- 難関資格のため、所持していると「電気の専門家」という箔がつく
- 工場、ビル、商業施設まで、活躍の場が多岐にわたる
取得方法・合格率
受験資格が特にないため誰でも受験できますが、合格率は高くありません。入門編と言われる第三種電気主任技術者(電験三種)でも合格率は6%ほど。難関資格と言われています。
定番資格3:消防設備士
意外と取得されているのが、消防設備士の資格。この資格があることで、消防設備の設置・点検・整備業務を行えるようになります。
設備全般の点検・整備を行っている電気設備系の会社では、消防設備も扱うことがあるため、重宝されているようです。
取得するメリット
- 消防法で定められた消防設備の整備・工事には有資格者が必要なため、一定の需要がある
- 防災点検会社や、消防用設備メーカー、ビル管理会社でも活躍できる
取得方法・合格率
消防設備士は甲種・乙種の2種類があり、それぞれ扱える消防設備の種類が分けられています。
受験資格にも違いがあり、甲種は特定の資格・学歴が必要です。一方で乙種は受験資格が無いため、誰でも受験が可能。合格率は甲種で約30%、乙種で約40%です。
なお、電気工事士・電気主任技術者・技術士(機械、化学、電気・電子、衛生工学)の資格を取得していると試験の一部が免除されます。
(セコカンプラス編集部)