「今の現場がひと段落したら、転職活動をはじめよう」。そう思っても仕事は後を絶えず、落ち着くタイミングなどないのが施工管理の現実。
残業が多く休日出勤も珍しくない施工管理が、限りある時間のなかで転職先を見つける術はないのか? 施工管理専門のキャリアアドバイザー・上久正貴氏に、忙しい施工管理がうまく転職活動を進めるコツを聞きました。
ひと月1回の平日休みで転職活動はできる
アドバイザー・上久
時間の作り方ですか……。実は、施工管理の転職活動はひと月に1回の平日休みがあれば進められるんです。
セコカンプラス編集部
えっ、その程度でいいんですか?
アドバイザー・上久
転職活動には応募先の選定や書類作成、面接などの過程がありますが、まとまった時間が必要なのは面接だけなんです。
それ以外は通勤中や帰宅後などに少しずつ進められたら問題ないので、無理をして残業を減らしたり休日を増やしたりする必要はありません。
セコカンプラス編集部
ひと月に1回でいいのなら、休日出勤の代休でまかなえそうです。
ちなみに、面接日は急な変更もできますか? 直前まで休日が確定しない場合もあると思うのですが……。
アドバイザー・上久
面接日は応募者の都合に合わせて設定されるのが基本ですし、大手企業ほど面接日確定後の日程調整にも応じてくれる傾向があるので、都合がつくタイミングで面接を受けられたらOKですよ。企業も施工管理の忙しさは理解しているので。
ただ、急ぎの募集だと難しい場合もあるため、休めないと分かったときにすぐ相談するのが大切です。
セコカンプラス編集部
仕事を放り出すわけにはいかないので、相談の余地があるなら安心です。
多忙なら、応募先は1社に絞るべし
アドバイザー・上久
具体的なコツの話をすると、忙しい施工管理は応募先を1社に絞るのがおすすめですよ。
セコカンプラス編集部
1社に絞る……?
アドバイザー・上久
先程お話しした通り、転職活動で最も時間を確保するのが大変なのは面接です。
建設業界でもWeb面接を導入する企業は増えてきていますが、二次面接からは対面の面接が主流。1日に何社も受けるのは難しいので、限りある時間を1社に使ったほうがスムーズに進むんです。
セコカンプラス編集部
もう少しくわしく教えてください。
アドバイザー・上久
たとえば、ひと月に1回しか平日休みを取れない方が、A社・B社の2社を同時に受ける場合で考えてみましょう。
12月の休みはA社の一次面接で、1月はB社の一次面接を受けたとします。すると二次面接は2月以降になりますよね。
セコカンプラス編集部
面接が全部で2回だとしても、内定が出るのは最速で2月。2社の結果を待つなら、転職活動が終わるのはもっと先になってしまいますね。
アドバイザー・上久
その通りです。でも、応募先を絞れば休みをすべて1社に使えます。12月が一次面接なら翌月には二次面接を受けられるので、早ければ1月には転職先が決まります。
セコカンプラス編集部
気になる企業すべてに応募するのではなく、先に吟味してから応募するのが大切なのか……。
アドバイザー・上久
企業分析や面接対策に時間がかかることを考えても、応募先は絞ったほうが得策ですよ。
応募先の選定や書類作成の時間も短縮できる
アドバイザー・上久
面接以外はスキマ時間で進めればOKと言いましたが、実はこの部分も転職の仕方によっては短縮できます。
自分で求人を探して応募すればすべての負担がかかりますが、知り合いのツテなら書類選考がない場合もありますし、転職エージェントを使えば求人探しや応募、日程調整の代行や応募書類の作成サポートなどもしてもらえます。
セコカンプラス編集部
細かな作業は地味に時間がかかるので、短縮できれば転職活動全体の負担が軽くなりますね。
アドバイザー・上久
忙しい施工管理だからこそ、削れる部分はきちんと削っていきましょう。
ただし、よく分からないまま転職先を決めるのは後悔のもとなので、「どんな職場で働きたいのか」「転職すればそれが叶うのか」はきちんと考えるのが大切ですよ。
セコカンプラス編集部
考える部分に時間を使えるよう、ほかの部分は効率化する……。理にかなっていますね。
本日はありがとうございました!
- 上久 正貴
- 株式会社クイック キャリアアドバイザー
約30年にわたり、幅広い領域での転職支援に従事してきたキャリアアドバイザー。支援した人数は、のべ1,200名以上に及ぶ。建設業界での技術者派遣などを経て、現在は施工管理専門のキャリアアドバイザーを担当。企業の文化や、現場の臨場感を把握したやりとりに定評がある。
(セコカンプラス編集部)
セコカンプラス編集部
今回は、忙しい施工管理がうまく転職活動を進めるコツを教えてください!
転職活動を進めるには、まず時間の捻出が必要ですよね。施工管理のみなさんはどうやって時間を作っているのでしょうか?