電気・空調などの設備工事を行うサブコン。数多くの企業がありますが、今回はその中から、上場して有価証券報告書を公表しているサブコン16社の平均年収ランキングを作成しました。
16社の平均年収は786万円で、1,000万円の大台を超えたのは1社のみ。2021年9月に公開したゼネコンの平均年収ランキングと比べると、全体的にやや低めの金額となっています。
サブコン16社の平均年収ランキング
まずは、サブコン16社の平均年収を一挙に紹介します。
今回は、1,000万円台が1社、900万円台が1社、800万円台が5社、700万円台が5社、600万円台が4社。同じサブコンというくくりではありますが、平均年収の額は企業によってバラつきがあることがわかります。
各社の有価証券報告書をもとに作成
唯一の1,000万円超えは大気社
今回平均年収額トップとなったのは、空調設備工事を手掛ける大気社です。
平均年収は1,078万円で、前年から1.7万円のアップ。2位を100万円以上引き離し、唯一の1,000万円台となりました。
大気社の2020年度業績は、売上高が前年度比10.1%減の2,025億円で、営業利益は前年度比24.3%減の1,169億円。国内は前年度に大型案件があったため反動減となり、海外は新型コロナウイルスによる工期の遅れで売り上げが減少しました。
このように減収減益ではあるものの、年収の水準はキープする結果となりました。
電気工事系のトップはきんでん
空調設備工事系の平均年収トップは大気社でしたが、電気設備工事をメインに手掛けるサブコンのなかで、最も平均年収が高いのは3位のきんでんです。
平均年収は885万円で、前年から8.2万円のアップ。同じく電気設備工事がメインで売上高の規模が近い関電工(平均年収752万円)や九電工(平均年収682万円)と比べ、100万円以上高い金額となっています。
平均年収が最も増えた企業は新日本空調
サブコン16社のなかで平均年収が前年度から最も増加したのは、5位の新日本空調です。
平均年収は853万円で、前年から59.5万円のアップ。2020年度の業績は売上高が1,073億円で前年度比10.7%減、営業利益は64億円で前年度比0.4%減の減収減益となりましたが、完成工事総利益率は13.0%と過去最高を記録しました。
なお、2021年10月に新日本空調の報酬制度は経験や能力に応じて給与が決まる職能型から、成果によって給与が決まる職務型(ジョブ型)に移行しました。この変化が今後どのようにして平均年収に反映されるかはわかりませんが、2021年度のデータにはさらなる変動が生まれるかもしれません。
最も平均年収がダウンしたのは…
一方、16社のなかで平均年収が最も減少したのは、9位の高砂熱学工業です。
平均年収は819万円で、前年から60.3万円のマイナス。2020年度の業績は売上高が2,752億円で前年度比14.2%減、営業利益が123億円で前年度比31.3%減の減収減益となりました。
工事が切り替わるタイミングを迎えたことに加え、新型コロナウイルスによる工事の中止と延期も重なったことで、営業利益は直近5年間で最も低い額となっています。
(セコカンプラス編集部)