サブコン各社の公表資料をもとに、2021年度4~9月期の売上高ランキングを作成しました。調査対象としたのは、上場して第2四半期の決算短信を公表している企業16社です。
ゼネコンでは、資材高騰や受注競争激化の影響を受けて業績が悪化している企業も目立ちますが、電気・空調などの設備工事を手掛けるサブコン各社の中間決算にはどのような結果が出ているのでしょうか。
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サブコン16社の売上高ランキング
まずは、サブコン16社の4~9月期売上高ランキングから見ていきましょう。
各社が公表している第2四半期の決算資料をもとに作成。サーラコーポレーションは11月期決算のため、7月に公表された第2四半期のデータを使用。
サブコン16社のなかでトップとなったのは、きんでんです。
きんでんの4~9月期の売上高は2,441億円で、前期から0.9%の増加。単体の売上高はわずかに減少したものの、ハワイの子会社などが伸びたためグループ全体としては増収で着地しました。
2位は関電工で、4~9月期の売上高は2,203億円でした。設備投資を控えた受注先が多かったためか、新築での屋内線・環境設備工事の売り上げが減少。その影響もあり、売上高は前期比5.1%減となっています。
3位は九電工で、4~9月期の売上高は前期比12.2%減の1,582億円でした。配電線・電気・空調衛生・太陽光すべての部門で売り上げが減少したことで、4~9月期としては直近5年間で最も低い売上高となりました。
4位の高砂電熱工業は、管工事をメインに手掛ける企業のなかでトップ。一部の工事では遅れが発生したものの、業績への影響は軽微で4~9月期の売上高は1,223億円と前期から3.9%増加しました。
通期予想|16社中8社が増益見通し
続いては、2021年度業績予想を見ていきましょう。現時点で各社が公表している情報によると、今回調査対象とした16社のうち半数の8社が増益の見通しとなっています。
各社が公表している第2四半期の決算資料をもとに作成。サーラコーポレーションは11月期決算のため、7月に公表された第2四半期のデータを使用。
2021年度通期の予想売上高トップは、4~9月期の売上高も1位だったきんでんです。
東南アジアをはじめとした海外子会社がロックダウンの影響を受けていることが響き、通期では減収減益が見込まれているものの、首位の座はキープ。2021年度の売上高は前年度比1.5%減の5,480億円、営業利益は同14.8%減の366億円に着地すると予想されています。
2位・3位は関電工と九電工がランクインしており、4~9月期の売上高ランキングと同様の顔ぶれが2021年度通期の予想売上高でもベスト3を固める結果となりました。管工事系のトップも同じく高砂電熱工業となっています。
増収増益見込みは7社|明電舎は水インフラが牽引
サブコン16社のうち、増収増益が見込まれているのは7社です。
特に大きな増益が予想されているのは、5位の明電舎。4~9月期は電力インフラ事業でかさんだ減価償却費用などにより28億円の営業損失を計上する結果となりましたが、通期では黒字転換する見通しです。
採算性がよく好調な水インフラ事業がほか事業の損失を補填することで、営業利益は前年度比19.3%増の100億円になると予想されています。
減収減益見込みは2社|日本電設工業は大幅ダウン予想
一方、減収減益が見込まれているのはきんでんと日本電設工業の2社。
日本電設工業の通期業績は、売上高が前年度比15.1%減の1,662億円、営業利益が同58.4%減の59億円に着地する見通しです。
この背景にあるのは、主要事業である鉄道電気工事の受注減。2024年3月期までの3ヵ年経営計画では鉄道電気工事事業の受注拡大と技術力・生産性工場に注力する予定で、2021年度を業績の底としてV字回復を図っています。
(セコカンプラス編集部)