たしかに、いろいろな会社から引き合いが来るようなスキル・経験を持っている人でも、自己評価は低めですね。
転職市場全体から見ると市場価値が高いのに、自分では気付いていない人が、実は多い印象があります。
そう語るのは、これまで1,200名以上の施工管理の転職を支援してきたキャリアアドバイザーの上久 正貴氏(以下、上久)。
どうやら、その気になれば待遇や環境を変えたり、キャリアアップできるようなスキル・経験があっても、自分の価値に気付かない施工管理が少なくないようです。
この記事ではキャリアアドバイザーの話をもとに、主にゼネコン・サブコンで評価されやすい、実は価値が高い施工管理の特徴を3種類ご紹介します。
特徴1. コミュニケーション能力が高い
まず価値が高いと言われているのが、コミュニケーション能力が高い施工管理。ごく普通のスキルだと思われがちですが、当然必要とされるからこそ、さまざまな企業で高く評価されるようです。ベテランはもちろん、スキル・経験に自信がない若手でもアピールできる特徴と言えるでしょう。
特にゼネコンでは、下請業者・発注者どちらともやり取りしつつマネジメントするという職業柄、重視される傾向があります。
漠然としたスキルですが、重要なのは相手と信頼関係を築けること。たとえば次のような方は、コミュニケーション能力が高いと言えるようです。
義理堅い人・責任感がある人
キャリアアドバイザー上久
義理堅く、約束を守れる人は、相手と信頼関係を築くスキルが備わっていると言えます。
たとえば「今回は損をさせてしまうけれど、次回は損をさせません」といった交渉ができる人は、このタイプに当てはまりますね。
ご本人は当たり前のようにやっていますが、結構コミュニケーション能力が必要なことなんですよ。
年上から好かれる人
キャリアアドバイザー上久
年上の先輩社員や職人から好かれる人物は、コミュニケーションの基本が自然と備わっている可能性が高いです。相手の言葉に耳を傾けたり、気分を損なわせずに自分の考えを伝えられているということですから。
普段のやりとりには、意外とコミュニケーション能力が表れるもの。周りの人とどんな関係性を築いているのかを振り返ってみると、強みが見つかることもありますよ。
受け答えが気持ちいい人
キャリアアドバイザー上久
何気ないことが高評価につながる例のひとつに「会話の受け答えが気持ちいい」というものもあります。これは、会話相手との円滑なやり取りに欠かせないスキルが備わっていると言えるでしょう。
少し特殊な例ですが、過去には施工管理経験の浅い方が、前職のアパレル業界で培ったトークスキルを活かして面接の戦略を立て、内定を得たこともあります。
関係者と円滑にやり取りできる人柄を重視する企業も多いので、現場を円滑にまわしてきたエピソードを伝えつつ、面接の場でもはきはきとした、気持ちのいい受け答えを心がけるといいでしょう。
特徴2. 中堅ゼネコンでの経験がある
スーパーゼネコンを目指す際に評価が高いのが、中堅ゼネコンの経験者です。その理由は、幅広い業務への対応力。30代から現場所長として一人現場をまわす経験をしていることも多く、さまざまな業務に対応できる点が評価されています。
スーパーゼネコンの案件は規模が大きく、1つの現場を複数人の施工管理で分業することがほとんど。どの業務にも配置できる中堅ゼネコン経験者は、即戦力として期待されるようです。
キャリアアドバイザー上久
中堅ゼネコン出身者は、いわゆる何でも任せられる人材という認識があり、即戦力としての活躍が期待されています。
同規模の企業へ転職することももちろん可能ですが、スーパーゼネコンでも通用するスキルを持っていることは、意外と知られていません。幅広い業務の経験・知識はあなたの武器なので、自信を持ってアピールしていきましょう。
特徴3. サブコンでの経験がある
サブコンでの施工管理経験がある人も、さまざまな企業から評価されやすいとのこと。膨大な量の業務をこなしてきた対応力や、勤勉さが認められているようです。
転職先は豊富で、大手サブコンだけでなく、プラントやメーカーも狙えるそう。メーカーの場合、サブコンと比べて残業を減らせるケースが多く、生活をがらりと変えることができるようです。
キャリアアドバイザー上久
サブコン出身者は、実は転職先の選択肢が多いんです。特に知っておいてもらいたいのが、メーカーへの転職が可能なこと。建設業界と違って基本的に残業が少ないため、働き方を変えられるメリットがあります。
たとえば電気系のサブコン経験者でしたら、大手重電メーカーからも引き合いがありますね。選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?
(セコカンプラス編集部)
- 上久 正貴
- 株式会社クイック キャリアアドバイザー
約30年にわたり、幅広い領域での転職支援に従事してきたキャリアアドバイザー。支援した人数は、のべ1,200名以上に及ぶ。建設業界での技術者派遣などを経て、現在は施工管理専門のキャリアアドバイザーを担当。企業の文化や、現場の臨場感を把握したやりとりに定評がある。
セコカンプラス編集部
施工管理の方々とお話ししていると「自分なんて、普通だよ」とおっしゃる人が意外と多いなと感じます。経験があっても、自己評価が低いと言いますか……。
キャリアアドバイザーから見て、どう思われますか?