2020年度の有価証券報告書をもとに、ゼネコン22社の平均年収ランキングを作成しました。
今回1,000万円の大台に乗ったのは、スーパーゼネコンの3社のみ。2019年度は5社が1,000万円を超えましたが、2020年度は平均年収が数十万円以上ダウンする企業が目立つ結果となりました。
※2021年12月6日に五洋建設・東亜建設工業・東洋建設のデータを追加しました。
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ゼネコン22社の平均年収ランキング
まずは、ゼネコン22社の平均年収を一挙に紹介します。
今回は、1,000万円台が3社、900万円台が6社、800万円台が12社、700万円台が1社となりました。
各社の有価証券報告書をもとに作成
トップは鹿島の1,135万円
2020年度に平均年収額トップとなったのは、鹿島建設で1,135万円でした。
前年と比べて大幅減となる企業が目立つなか、小幅ながら1万円のプラス。売上高ランキングでも2020年度は1位となっており、ダブルで首位の座につく結果となっています。
なお鹿島建設を除くスーパーゼネコン4社は、いずれも数十万円の減少となりました。鹿島建設のほか1,000万円台を超えたのは、2位の大林組(平均年収1,032万円)と3位の竹中工務店(平均年収1,007万円)のみです。
4位の大成建設(平均年収985万円)と5位の清水建設(平均年収971万円)は、1,000万円を割り込む結果となりました。
900万円台は奥村・前田建・長谷工・東亜
5位の奥村組(平均年収932万円)、6位の前田建設工業(平均年収927万円)、7位の長谷工コーポレーション(平均年収924万円)、9位の東亜建設(平均年収913万円)は、平均年収900万円台で、ほかの準大手・中堅ゼネコンより頭ひとつ抜けた水準です。
なかでも注目すべきは奥村組。売上高ランキングでは16位と下位グループに属していますが、実は平均年収が高いことがわかりました。
平均年収大幅アップは東亜・福田・飛島
ゼネコン22社のなかで、平均年収がアップしたのは全部で6社。なかでも増加金額が多かったのは、9位の東亜建設工業と16位の福田組、18位の飛島建設です。
東亜建設工業の平均年収は913万円で前年から36.2万円アップしており、福田組の平均年収は845万円で前年から41.9万円アップ。
2020年度は業績悪化に苦しむ企業が多いなか、福田組は大型工事の採算性向上と、グループ会社の福田道路で売り上げが増加した影響で、売上高は前年比2.0%増、営業利益は10.6%増の増収増益となりました。
飛島建設の平均年収は819万円で、前年から24.7万円のアップ。業績は売上高が13.0%減、営業利益が49.1%の減収減益となりましたが、平均年収はプラスとなっています。
一方、大幅ダウンした企業は…
反対に、特に平均年収がダウンしたのは、13位の東急建設と14位の戸田建設でした。
特に東急建設の下げ幅は大きく、平均年収は前年から85.8万円マイナスの860万円に落ち込みました。渋谷再開発などの大型工事が一段落したことに加え、コロナ禍で新規工事の遅れも発生して売上高は前年比28.1%減、営業利益は82.5%減となっています。
2020年度は業界全体として平均年収のダウンが目立つ結果となりましたが、それでも各社とも全上場企業の平均水準である600万円前半は上回る金額をキープ。ゼネコンはほかの業界・業種と比べて高い年収を手にできるという事実に変わりはないでしょう。
(公開:2021年9月22日/最終更新:2021年12月6日)
(セコカンプラス編集部)