1級土木の資格は本当に必要?キャリアのプロが語るリアル

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土木施工管理として働くなら、いつかは取らなきゃいけない1級土木施工管理技士の資格。でも、毎日残業続きで勉強する時間なんてないのが現実……。

このような状況のなか、努力して資格を取る価値はあるのか? 施工管理専門のキャリアアドバイザー関本隆志氏に、リアルな話を聞きました。

施工管理なら1級はマスト

セコカンプラス編集部

今日は1級土木施工管理技士の資格は本当に取る必要があるのか、リアルな話を聞かせていただきたいです!

というのも、「『資格を取らなきゃ』と思ってはいるが、忙しくて勉強に手が回らない」という声をよく耳にするので……。

キャリアアドバイザー関本

土木施工管理の方は日々の仕事が忙しいのはもちろん、天候に業務状況が左右されることもあり、勉強時間を確保するのが難しいですよね。

それを理解したうえで、今回はあえてズバリ言います。施工管理であれば、可能な限り1級土木施工管理技士の資格を取ったほうがいいです。

セコカンプラス編集部

やはり、そうなんですね……。
現在の業務内容に支障がないのであれば、資格を取るよりも経験を積むほうが大切なのかなと思っていました。

キャリアアドバイザー関本

会社が必要としているのは、監理技術者や現場代理人といった責任のあるポジションを任せられる、1級資格保有者です。

もちろん実際の仕事では経験も重要視されますが、資格がないとできない業務もあるため、やはり資格保有者のほうが優遇される傾向ですね。

ほかには、「1級資格保有者がいると入札で有利になる」という事情も。こうした理由で、若手のうちは平気でも、経験を積んでいくと思っている以上に社内で肩身が狭くなってしまうこともあるようですよ。

残業代で稼げなくなるからこそ資格が必要

セコカンプラス編集部

具体的に、1級土木施工管理技士の資格を持っている人とそうでない人は、給料にどのくらいの差があるんですか?

キャリアアドバイザー関本

1級資格を持っている人は、月々数万円の資格手当や責任者手当が上乗せされる場合が多いです。年収に換算すると、100万円以上の差が開くことも珍しくありません。

セコカンプラス編集部

100万円以上も……。
とはいえ、資格がなくても長時間残業するのなら、手当の差が埋まる気もします。

キャリアアドバイザー関本

現時点では長時間残業や休日出勤でも稼げますが、今後はそう言っていられなくなるかもしれません。

すでに国交省の案件を中心に4週8休の現場が増えてきており、休日出勤が減っているのが実情です。また、それ以外にも2024年4月に建設業界でも「時間外労働の上限規制」が適用されるため、残業時間削減に取り組む企業が増えてきているんですよ。

これまで通り残業代で稼ぐのは、難しくなるかもしれません。

セコカンプラス編集部

残業代を当てにできない時代になってきたからこそ、できるだけ早く1級土木施工管理技士の資格をとっておいたほうがいいんですね。

キャリアアドバイザー関本

加えて、もし転職したいと思った場合、1級資格の有無によって応募できる求人数に違いが出る可能性もあります。

今は「定年までこの会社で働く」と思っていても、将来の保険として資格を取っておくと安心材料になりますよ。実際、定年間際の方でも、1級資格さえあれば多くの企業から引き合いがありますから。

勉強時間がないのなら、転職も視野に

セコカンプラス編集部

1級土木施工管理技士の重要性は理解しましたが、毎日仕事に追われていると勉強時間が作れないので、結局「いつかは取ろう」になってしまいそうです。

キャリアアドバイザー関本

勉強する時間がとれないのなら、大手企業や資格取得に力をいれている中堅・中小企業への転職も視野に入れたほうがいいかもしれません。

資格取得を応援する風土のある会社では、現場が忙しくても「今日は勉強をやらせてやりな」と配慮してもらえたり、専門学校の学費や受験費用を負担してもらえたりするケースがあるんです。

セコカンプラス編集部

そうなんですか? でも、1級の資格がないと応募できる求人数は少ないんですよね。

キャリアアドバイザー関本

実は、20代なら2級資格があれば挑戦できる大手の求人も少なくないんです。

勉強する余裕がないのであれば、門戸が広いうちに環境を変えてみるのがいいと思いますよ。経験も重要ですが、資格も重要ですから。

関本 隆志
株式会社クイック キャリアアドバイザー

GCDF-Japanキャリアカウンセラー。
施工管理専門のキャリアアドバイザーで、ゼネコン・専門工事会社・プラントエンジニアリング会社など、幅広い業種への支援実績がある。累計転職サポート者数は1,500名を超える。

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