ゼネコン各社の2020年度売上高を調査し、ランキングを作成しました。調査対象としたのは、決算短信や電子公告などで業績を公表している23社。
2020年度は通期で新型コロナウイルスの打撃を受けたこともあり、減収の企業が目立つ結果となりました。
※2021年12月6日に五洋建設・東亜建設工業・東洋建設のデータを追加しました。
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ゼネコン23社の売上高ランキング
まずは、ゼネコン23社の売上高を一挙に紹介します。
各社が公表している2020年度の決算資料をもとに作成
ゼネコン23社のなかでトップとなったのは鹿島建設で、売上高は1兆9,072億円でした。
昨年は鹿島建設と大林組が2兆円超えを達成していたものの、今回は届かず。鹿島建設は主に建築事業の売り上げが減少して前年から5.2%のマイナスとなりましたが、大林組から7年振りに首位を奪還しました。
2位は大林組で、売上高は1兆7,669億円。国内外で建築事業が伸び悩み、売上高は前年比14.8%減となっています。
3位以下は、大成建設の1兆4,801億円、清水建設の1兆4,565億円、竹中工務店の1兆2,378億円が続いており、例年通りスーパーゼネコン5社が準大手・中堅ゼネコンを大きく引き離す結果となりました。
コロナ禍で大きな減収となった企業は?
2020年度は、23社中19社が減収に。なかでも、打撃を受けたゼネコンはどこなのでしょうか。売上高の減少率が大きな企業をまとめてみました。
各社が公表している2020年度の決算資料をもとに作成
ゼネコン23社のなかで最も売上高の減少率が高かったのは、東急建設です。渋谷再開発などの大型工事が一段落したことに加え、コロナ禍で新規工事の遅れも発生し、売上高は前年比28.1%減の2,315億円となりました。
次いで業績が悪化したのはフジタで、売上高は前年比27.2%減の3,792億円でした。完成工事高と開発事業などの売上高はともに減少。しかし、原価を抑えたため営業利益は前年から23.5%の増益となっています。
スーパーゼネコンのなかで最も業績が悪化したのは、大成建設です。売上高は、前年比15.5%減の1兆4,801億円。オリンピック関連の大型工事が2019年度にピークを迎えたため、2020年度の業績にはその反動が映し出される結果となりました。
反対に、最も売上高が伸びたのは前田建設工業です。2020年3月にグループ会社の前田道路を連結子会社化した影響で、売上高は前年比39.0%増の6,781億円と過去最高を更新しました。なお、前田建設工業単体の売上高は、前年から5.5%のマイナスとなっています。
コロナ禍が落ち着く兆しも見え始め、2021年度は、経済の回復とともに増収を見込む企業も多数。とはいえ、国内建築事業では競争激化によって利益率の悪化が進んでおり、依然として不安は残ります。
オリンピック特需が過ぎ去った後のランキングはどう動くのでしょうか。今後も各社の動向から目が離せません。
(公開:2021年9月1日/最終更新:2021年12月6日)
(セコカンプラス編集部)