中途採用面接では、退職理由や志望動機、これまでの職務経歴など、ある程度定番の質問をされることが一般的です。
この記事では、よくある6つの質問と逆質問について、例文つきで答え方のポイントを解説します。
よくある6つの質問と回答例
施工管理の面接でよくある質問として、1.自己紹介、2.退職理由・転職理由、3.志望動機、4.職歴・スキル、5.キャリアプラン、6.ほかに受けている企業についての6種類を紹介します。
それぞれ回答の例文と答え方のポイントをチェックしていきましょう。
1.自己紹介
質問文:自己紹介もかねて、簡単な職歴のご説明をお願いします
回答例:
1)◯◯と申します。本日はお時間をいただき、ありがとうございます。
2)現職の株式会社ABC組は、マンションや公共施設の建築工事を手掛ける地場ゼネコンで、新卒で入社して以来約6年間勤めています。
現職では建築工事の施工管理として、主にRC造の建築物の新築工事に従事しております。直近の現場では、発注者との折衝から安全管理、工程管理、品質管理、引き渡しまで一人で担当してまいりました。
御社は発注者により近い立場での案件や、近年需要が高まっている改修案件に注力していると伺っております。こうした案件でも、一人現場の経験を活かせると考え、志望いたしました。
3)本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
自己紹介は、1.名前→2.職歴の説明→3.締めの挨拶の順番で伝えましょう。職歴の説明部分は、職務経歴書の職務要約欄で書いたことをベースにするとまとめやすいので、活用するのがおすすめです。
答え方のポイント
- くわしい職歴は後で聞かれるので、1~2分程度で簡潔にまとめる。
- 職務経歴書の職務要約欄の内容をベースにするのがおすすめ。
2.退職理由・転職理由
質問文:退職を考えたきっかけや理由を教えてください
回答例:
1)新築工事が減少すると予想されていることを踏まえて、今後工事量が増えるであろう改修工事の経験を積みたいと考え、転職を決意いたしました。
2)現在の職場では新築の経験しかつめないことに不安を感じており、希望を叶えるためには転職しかないと考えていたところで御社の求人を拝見し、応募いたしました。
3)もし採用いただけた場合には、過去の経験をベースに御社の改修工事を学ばせていただき、新築・改修工事双方に対応できるゼネラリストを目指したいと考えております。
退職理由(転職理由)は、応募者が求めていることが自社とマッチするか、前職と同じ理由でまた辞めてしまわないかを確認するために質問されます。
履歴書などの応募書類に書いた内容をベースに、1.転職で何を実現したいのか→2.そう考えた背景やエピソード→3.転職先でどうなっていきたいかの3点を考えて伝えましょう。
また、ここで前職への不平不満を伝えると他責思考と思われ、評価が下がる可能性があるので注意。あくまで「○○を叶えるために、御社に応募した」という前向きな意欲を伝えるようにしましょう。
答え方のポイント
- 退職理由はポジティブな理由に言い換える。
(○○ができなかったから転職する→○○をするために転職する) - 前職の不平不満を伝えるだけだと他責思考と思われ、評価が下がる。
3.志望動機
質問文:弊社にご応募いただいた理由を教えてください
回答例:
1)改修案件の経験を積めることに加えて、御社の理念に共感したため応募いたしました。
2)地域に根差し、既存物件をリニューアルすることで地域の資源を有効活用していくという姿勢は、この地域で暮らす自分にとっても共感でき、やりがいがあると感じています。
現在の職場では、改修案件や地域に根ざした業務の経験を積むのは難しい状況です。そのため、スキルアップとやりがいを両立できる御社にぜひ入社させていただき、長く働きたいと考え応募いたしました。
志望動機は、応募者の希望が自社にマッチしているか、下調べをしているかを確認するための質問です。
こちらも退職理由・転職理由と同じく、履歴書などの応募書類に書いた内容をベースに1.応募先のどこに惹かれたか(応募先を選んだ理由)→2.惹かれた背景や理由を伝えましょう。
なお、惹かれた背景や理由を話す際は、希望が叶うことに加えてその企業ならではの特徴に共感していることを伝えるのがポイントです。応募先の企業が大切にしていることや理念・考え方への共感を示すことで、志望する必然性や納得感が生まれます。
答え方のポイント
- 退職理由・転職理由と同じく、現在は叶えられないことが応募先なら叶うと具体的に伝える。
- 惹かれた背景や理由は、希望が叶うこと+その企業ならではの特徴に共感していることの2点を伝える。
4.職歴・スキル
質問文:直近のご経験について、くわしく教えてください
回答例:
直近は小学校の増築工事で施工管理を担当しておりました。RC造2階で、広さは約○○○○平米です。着工前の工事説明会から、安全管理・工程管理・品質管理まで一括して担当しております。
現場の人数は○○名ほどで、進捗管理を密にするため、積極的にコミュニケーションをとって参りました。朝礼や巡回中のこまめな声かけだけでなく、休憩所での雑談なども行うことで話しやすい空気を作るなど、風通しのいい現場づくりを心がけております。
また、昨年1級建築施工管理技士の資格も取得しております。
面接の中盤では、職務経歴書やこれまで面接内で伝えた内容をもとに、経験・スキル・知識などについて深掘りする質問をされるのが一般的です。
くわしく教えてほしいと言われたら、これまで経験してきた業務内容に、工夫したこと・苦労したポイント・成果などを交えて伝えましょう。
基本的には職務経歴書の内容をもとに質問されるので、記入した業務については何を聞かれても答えられるように、面接前にあらためてこれまでの業務を振り返っておくことが重要です。
答え方のポイント
- 職歴だけでなく、そのなかで工夫したことや苦労したポイントなども伝える。
- アピールするスキル・知識は、応募先と関連するものに絞る。
5.キャリアプラン
質問文:入社された場合、どのようなことをしていきたいですか?
回答例:
もし可能でしたら、御社でも早い段階で現場代理人として現場を任せていただきたいと考えております。自身のスキルアップに繋がることはもちろん、御社の業績への貢献にも繋がるため、目標にしていきたいです。
また、御社の業務を通じて技術・知識を高め、ゆくゆくは後輩の育成などマネジメントにも携わりたいと考えております。
キャリアプランに関する質問は、応募者と自社のニーズにミスマッチが無いかを確認するための質問です。
聞かれたら、まずは今後チャレンジしたいこと・将来の展望などを明確に伝えましょう。なお、応募先の企業で実現できないことを伝えてしまうとミスマッチだと判断されてしまうので、下調べを行ったうえで「もし可能でしたら……」といった提案形式で希望を伝えるのが無難です。
答え方のポイント
- 応募先で実現できる範囲での将来像を、簡潔に語る。
- そう考えたきっかけや背景、想いを伝えられるとベター。
6.ほかに受けている企業について
質問文:ほかに受けている企業はありますか?
回答例:
はい。御社のほかに、建築施工管理の募集で1件選考中です。
面接のなかで、ほかの企業の応募状況を聞かれるケースがあります。
選考スケジュールや、内定後の回答期限を設定するための質問なので、基本的には正直な状況を伝えましょう。
ただし、受けている業界がバラバラだったり、やみくもに応募しているような場合はそのまま伝えるのはNG。転職の軸が定まっていない・志望度が高くないと判断され、評価が下がる可能性があります。「施工管理の経験を活かせるという軸で、○○社に応募している」のように、企業選びの軸や理由を添えて伝えるようにしましょう。
答え方のポイント
- 基本的には、受けている業界や企業の数は、正直に答える。
- 具体的な企業名は出さなくてOK。言いたくない状況で面接官から企業名を聞かれた場合は「申し訳ありません。企業名を口外しないよう応募先から言われております」といった形で、やんわりと拒否するのが無難。
志望度の高さを聞かれたら…?
また、もし志望度の高さを聞かれたら「御社が第一志望です」「御社の志望度が高い」と答えましょう。
面接官:他社と比較して、弊社の志望度はどのくらいでしょうか?
回答例:
双方魅力的に感じておりますが、○○という観点で、御社への志望度が強いと考えております。
面接の最後にある「逆質問」対策も重要
逆質問とは、面接の終盤に「何か質問はありますか?」と面接官から尋ねられる質問のこと。
疑問点を解決する機会であるだけでなく、面接官が企業への理解度や熱意を見るための質問にもなっています。
そのため、質問を1~2個は用意しておくと安心です。逆質問にはOKな話題とNGな話題があるので、こちらをチェックしたうえで準備しておきましょう。
OKな逆質問
基本的には、事前に下調べしたことを深掘りする質問をしましょう。
「ホームページで○○という記述を拝見したのですが」「御社は○○に注力していると伺ったのですが」といった前置きをしたうえで、下記のようなテーマで逆質問すると好印象です。
- 入社後の業務内容
「今回募集されている○○業務では、一人でどの程度の業務範囲をカバーするのでしょうか?」
「入社後、現場代理人を任せていただけるようになるまでには、どのようなステップを踏むことになるでしょうか?」 - 理念
「御社の○○○○という経営理念に共感したのですが、どのような考えから掲げられたのですか?」 - 社員に求めていること
「今回の募集では即戦力としての活躍を期待されていると求人票で拝見したのですが、具体的にはどのような動きを求めているのでしょうか? 差し支えなければ教えていただけますか?」 - 面接官からみた自社の課題
「御社はICT機器を積極的に取り入れていると伺いましたが、それにより見えてきた効果や課題などはありますか? 差し支えなければ教えていただけますか?」 - ビジョン達成のための取り組み
「○○○○という御社の経営理念に共感しています。理念を実現するために取り組まれていることについて、差し支えなければ教えてください」 - 当日の面接で、気になったこと
「先ほど伺った○○○○について、△△△△という認識なのですが、合っていますでしょうか?」
逆質問の終わり方
聞きたいことを全て聞き終えたら、下記のように一言お礼を述べて逆質問を終わらせましょう。
質問文:他にも質問はありますか?
回答例:
知りたい内容はすべて伺えたため、特にございません。
○○○○についてお聞きできたことで、御社で働くイメージがより明確になりました。ご回答いただき、ありがとうございました。
NGな逆質問
NGな逆質問として代表的なものは、待遇や条件について尋ねる質問です。仕事内容よりも制度に惹かれている印象を与える可能性があるので避けてください。
そのほかにも、調べればわかることなどを質問すると評価が下がるリスクがあるので避けましょう。
- 待遇や条件についての質問
- 事前に調べればわかる質問
- 以前聞いたものとまったく同じ質問
- 「育成してもらえるか?」など、受け身の姿勢が伝わってしまう質問
答えにくい質問には、どう対処する?
わからない質問や答えにくい質問をされた場合でも、黙ったままうつむいてしまったり、考えがまとまらないまま話し始めて要領を得ない回答になってしまったりするのはNGです。
すぐに答えられないときは、下記いずれかの対処法をとりましょう。
少し考えれば答えられそうなとき
- 「少し考える時間をいただいてもよろしいでしょうか?」とお願いする。
考える時間があっても回答できないとき
- 「○○につきましては、勉強不足でお答えすることができません。申し訳ございません」と正直に伝える。
(セコカンプラス編集部)