自己PRは自由記述ということもあり、書き方で迷う人が多い欄です。
この記事では、どんな内容を書けばいいのかを、例文を使って紹介します。
自己PRのキホン|履歴書と職務経歴書の違いは?
自己PR欄は、これまでの経験・スキルを、応募先の企業でどの程度活かせそうかを伝えるための欄です。
履歴書・職務経歴書ともに、効果的にアピールするための流れがあるので、チェックしていきましょう。
履歴書と職務経歴書の自己PRの違い
履歴書・職務経歴書どちらにも自己PRの欄がありますが、完全に同じ内容を書くのはNG。両者の違いを理解して、それぞれに合った書き方をしましょう。
具体的には、下記のように役割が異なります。
- 履歴書の自己PR:要点を絞ってアピール内容を書く
- 職務経歴書の自己PR:履歴書よりも具体的なエピソードなどを追加して、さらに深掘りした内容にする
基本的には、履歴書用の自己PRを書いてから、自分の強みを発揮したエピソードなどを追加して職務経歴書用の自己PRを作るのがおすすめです。
それぞれどんな文章を書けばいいか、例文とポイント解説を見て、イメージを掴んでみましょう。
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【履歴書】自己PRの書き方・例文
履歴書の自己PRは、1.自分の強み(結論)→2.根拠となる具体的なエピソード→3.自分の強みをどう活かせるのかの3点を順番に書くのがポイント。
3つの要素ごとにどんなことを書けばいいのか、例文とともに紹介します。
〈自己PRの記入例〉
1)私の強みは、一人で現場を任されてきた際に培ってきた対応力と、課題解決力です。
2)施主様との折衝から一通りの管理業務を学んできたことに加えて、一人現場だからこそ課題解決のために自発的に動く習慣がついております。現場との調整を密に行ったり、浮かんだ疑問は即座に調査して解決するといった行動を常に心がけることで、トラブルの発生を防止してまいりました。
3)こうした姿勢は、発注者に近い立場で仕事に関わる際も業務のベースになるものと考えております。貴社への入社後は、過去の経験を下敷きに、貴社での業務に合わせた形でパフォーマンスを発揮していけるよう、学ばせていただきたいと考えております。
1.自分の強み(結論)
まずは結論がすぐ伝わるように、自分の強み(アピールしたいこと)を簡潔に書きます。
書き出しは定型句でOKなので、シンプルに「私の強みは○○です」と言い切りましょう。
なお、アピールする内容には定番のものがいくつかあります。何をアピールしようか迷っている人は、自己PRのエピソードの探し方の章を見て、アピールポイントを探してみましょう。
2.根拠となる具体的なエピソード
自分の強みの納得感を増すために、根拠となる具体的なエピソードを記載します。
自己PRの目的は自分の強みが、応募先の企業で役に立つとアピールすること。そのため、経験した業務や強みを発揮したエピソードは、読む人がイメージできるよう具体的に伝えることが重要になります。
下記の4点を記載すると活躍している姿をイメージしやすくなるので、可能な限り書くようにしましょう。
たとえば先ほどの例文の場合は、下記のように要素を記載しています。
- 施主様との折衝から一通りの管理業務を学んできたことに加えて、
- 一人現場だからこそ課題解決のために自発的に動く習慣がついております。
- 現場との調整を密に行ったり、浮かんだ疑問は即座に調査して解決するといった行動を常に心がけることで、
- トラブルの発生を防止してまいりました。
3.自分の強みをどう活かせるのか
自己PRの締めとして、自分の強みをどう活かせるのかを記入します。
伝え方のポイントは、これまでに伝えた強みの部分と、応募先の業務の共通点を探すこと。例文のように、業務のどんなところで活かせそうかを要約して伝えると、納得感が高まります。
こうした姿勢は、発注者に近い立場で仕事に関わる際も業務のベースになるものと考えております。
また、最後に意気込みとして入社後にどうしていきたいかを入れておくと、熱意が伝わりやすくなります。下記の定型句をベースに、どう貢献したいか・どんなことに挑戦したいかを記入しておきましょう。
意気込みの例
- 「入社後は貴社の〇〇に貢献できるように尽力してきます」
- 「入社後は〇〇できるよう、頑張っていきたいと思います」
- 「入社後は過去の経験をベースに、貴社の業務を学び、一日も早く戦力になれるよう努めてまいります」
【職務経歴書】自己PRの書き方・例文
職務経歴書の自己PRも、基本的な構成は履歴書と同じです。1.自分の強み(結論)→2.根拠となる具体的なエピソード→3.自分の強みをどう活かせるのかの3点を順番に書くと、相手に伝わりやすいものに仕上がります。
一点、履歴書と大きく異なるのが、2.根拠となる具体的なエピソードの部分。職務経歴書は、これまで何を経験してきたか・それを転職先でどう活かせるかを見てもらうための書類です。履歴書よりもエピソードをくわしく書いて、経験を具体的に想像できるようにすることが評価につながります。
下記の例文の太字部分のように、履歴書の自己PRにエピソードを追加し、強みの納得感を高めていきましょう。
1)私の強みは、一人で現場を任されてきた際に培ってきた対応力と、課題解決力です。
2)施主様との折衝から一通りの管理業務を学んできたことに加えて、一人現場だからこそ課題解決のために自発的に動く習慣がついております。現場との調整を密に行ったり、浮かんだ疑問は即座に調査して解決するといった行動を常に心がけることで、トラブルの発生を防止してまいりました。
直近担当していた小学校増築工事では行政との折衝も経験。各種届出の流れや書類の制作方法を把握してきたほか、近日中に竣工予定のため完成検査の対応方法も経験できる見込みです。
3)こうした経験や姿勢は、今後の業務のベースになるものと考えております。貴社への入社後は、過去の経験を下敷きに、貴社での業務に合わせた形でパフォーマンスを発揮していけるよう、学ばせていただきたいと考えております。
1.自分の強み(結論)
まずは結論がすぐ伝わるように、自分の強み(アピールしたいこと)を簡潔に書きます。
書き出しは定型句でOKなので、シンプルに「私の強みは○○です」と言い切りましょう。
なお、アピールする内容には定番のものがいくつかあります。何をアピールしようか迷っている人は、自己PRのエピソードの探し方の章を見て、アピールポイントを探してみましょう。
2.根拠となる具体的なエピソード
自分の強みの納得感を増すために、根拠となる具体的なエピソードを記載します。
自己PRの目的は自分の強みが、応募先の企業で役に立つとアピールすること。そのため、経験した業務や強みを発揮したエピソードは、読む人がイメージできるよう具体的に伝えることが重要になります。
下記の4点を記載すると活躍している姿をイメージしやすくなるので、可能な限り書くようにしましょう。
なお、今回の職務経歴書の例文では、強みの納得感を高めるために強みを発揮したエピソードを2つ記載しています。
「施主との業務から学んだこと」と「行政との業務から学んだこと」のエピソードを記載しているので、それぞれA~Dの要素をどのように伝えているかを下記から確認してみましょう。
エピソード1:施主との業務から学んだこと
A)施主様との折衝から一通りの管理業務を学んできたことに加えて、
B)一人現場だからこそ課題解決のために自発的に動く習慣がついております。
C)現場との調整を密に行ったり、浮かんだ疑問は即座に調査して解決するといった行動を常に心がけることで、
D)トラブルの発生を防止してまいりました。
なお、A~Dの要素をすべて含めるのが理想的ですが、2つ以上のエピソードを書く場合は全体のバランスをみて、下記のように一部を省略して伝えてもOKです。
エピソード2:行政との業務から学んだこと
A)直近担当していた小学校増築工事では行政との折衝も経験。
B)各種届出の流れや書類の制作方法を把握してきたほか、近日中に竣工予定のため完成検査の対応方法も経験できる見込みです。
3.自分の強みをどう活かせるのか
自己PRの締めとして、自分の強みをどう活かせるのかを記入します。
伝え方のポイントは、これまでに伝えた強みの部分と、応募先の業務の共通点を探すこと。例文のように、業務のどんなところで活かせそうかを要約して伝えると、納得感が高まります。
なお、複数の強みを伝えている場合には、全体をあっさりと包括するイメージで「今後の業務に活かしていきたい」と伝えてもOKです。
どう活かせるか具体的に伝えるパターン
- こうした姿勢は、発注者に近い立場で仕事に関わる際も業務のベースになるものと考えております。
あっさりと包括するパターン
- こうした経験や姿勢は、今後の業務のベースになるものと考えております。
また、最後に意気込みとして入社後にどうしていきたいかを入れておくと、熱意が伝わりやすくなります。下記の定型句をベースに、どう貢献したいか・どんなことに挑戦したいかを記入しておきましょう。
意気込みの例
- 「入社後は貴社の〇〇に貢献できるように尽力してきます」
- 「入社後は〇〇できるよう、頑張っていきたいと思います」
- 「入社後は過去の経験をベースに、貴社の業務を学び、一日も早く戦力になれるよう努めてまいります」
自己PRのエピソードの探し方
自己PRで何を書けばいいか悩んだときは、下記の2ステップにそって話題を見つけてみましょう。
ステップ1:強みの方向性を決める
自己PRの基本的な考え方は「過去に○○という実績があるから、貴社でも強みを発揮して活躍できる」と伝えることです。
そのために、まずは伝える強みの方向性を決めましょう。
施工管理の自己PRの方向性で定番のものは8種類。応募先の業務内容や社風と照らし合わせて、共通しているものを選んでみてください。これが1.自分の強み(結論)で伝える内容になります。
〈自己PRの方向性(定番8種)〉
- 顧客との関係構築が得意
- 高度な専門知識を持っている
- 上流工程の仕事に携わっている
- 応募先と同様の内容・規模の案件の経験が豊富
- 「これができれば一人前」と言われる仕事を一人でこなせる
- 業務改善の提案力がある
- 周囲への気配りが得意
- 状況を的確に分析できる
ステップ2:強みを裏付ける実績を探す
ステップ1で決めた方向性に沿って、納得感を高めるための実績を探します。
実績と聞くと華々しい成果が必要だと思われがちですが、特別感は無くてOK。与えられた業務を確実にこなした、という実績で問題ありません。大切なのは実績のすごさではなく、そこに至るまでの業務に対する姿勢です。
自己PRの書き方の2.根拠となる具体的なエピソードで伝えたように、納得感を増すために記載したい4つの要素を集めましょう。
下記のように要素に対応する実績をメモしていくと、考えを整理しやすくなります。
なお、案件の規模やポジションなどは数字・名称を使って具体的に伝えると効果的です。規模などが明確になることで、応募先の業務にマッチするかをより鮮明にイメージしてもらえるようになります。
NGな自己PRの特徴
NGだと思われやすい自己PRには、ある程度特徴があります。
下記の5つの特徴にあてはまっていないか提出前に確認し、必要に応じて修正しましょう。
NG特徴1:伝えるポイントが絞れていない
ポイントが絞れていないと、何が強みなのかが読み取りにくい印象になってしまいます。
伝える強みは基本的には1つに絞り、もし複数の強みを伝えたいなら、段落を変えるなど読みやすくする工夫をしましょう。
NG特徴2:実績・結果しかわからない
応募先で活躍できるか判断してもらうには、結果を出した経緯を見せて、再現性があることを証明することが重要です。
「こうやって結果を出したから、応募先でも活躍できます」と言うつもりで、エピソードを伝えましょう。
NG特徴3:応募先に関係ないスキルを伝えている
仕事に関係ないスキルを伝えても話題づくりにはなるものの、まず第一に伝えるべきは仕事で活躍できそうなスキルがあるかどうか。
「前職のこの部分は、応募先でも活かせそう」と言えるものを探して、優先的に伝えましょう。
NG特徴4:誤字脱字や、表現の間違いがある
応募書類のミスは、仕事でも同じことをするのでは? という疑問のきっかけになってしまいます。
うっかりミスで評価を下げるともったいないので、自己PRを書き上げたら音読して、不自然なところが無いかチェックしておきましょう。
NG特徴5:箇条書きになっている
自己PRの場合、箇条書きは手抜きだと思われてしまうリスクがあるためNGです。
納得感を持たせるためのエピソードや実績も入れにくくなるので、通常の文章形式で書きましょう。
自己PRの記入が終わったら……
もしまだ職務経歴書のほかの欄を記入していない場合は、下記の解説記事を見ながら記入するとスムーズです。見本を真似して、それぞれの欄を埋めていきましょう。
また、履歴書の解説記事もあります。提出前に、見本を見ながら最終チェックするのもおすすめです。
【見本・テンプレートつき】施工管理の「履歴書」の書き方
いざ転職活動を始めるとなっても、応募書類の書き方がわからず立ち止まってしまう人は少なくありません。 この記事では、施工管理...
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(セコカンプラス編集部)