履歴書の志望動機欄に何を書けばいいのか迷う人は少なくありません。
例文を見ながら、どんな内容を書けばいいのかをチェックしていきましょう。
志望動機の書き方
そもそも志望動機は、どうして応募先に入社したいと思ったのか、なぜその会社でなければならないのかを伝えることが目的の欄です。
下記の例文のように、1.志望した理由(結論)→2.その結論に至った背景やエピソード→3.入社後の意気込みの順に伝えることで、入社したいと考えた理由を、採用担当者が納得しやすい形で伝えることができます。
〈志望動機の記入例〉
1)私が貴社を志望した理由は、より発注者に近い立場での経験を積めることに魅力を感じたからです。
2)現職では5,000万円規模の案件にて、現場監督として全体的な取りまとめを担っていました。一人で現場を任せていただき、学びも多かったのですが、視野を広げるためにも、需要が高まっている改修案件の経験を積みたいと考えて転職を決意しました。そんなときに貴社の求人を拝見し、希望する現場の経験を多く積める点に魅力を感じました。
3)立場の違いで業務内容が違うとは思いますが、過去の経験をベースに貴社の業務を学ばせていただき、1日も早く貴社に貢献できるようになりたいと考えております。
では、3つの要素ごとにどんなことを書けばいいのかを、くわしく見ていきましょう。
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1.志望した理由(結論)
まずは結論がすぐ伝わるように、志望した理由を簡潔に書きます。
書き出しの定番パターンは2種類。何をやりたくて応募したのかや、何に魅力を感じて志望したのかのいずれかを書くといいでしょう。
志望した理由には、定番のものがいくつかあります。志望した理由をうまく言語化できない場合や、一般的にどんな志望理由があるのか気になる場合は、何を書けばいい?話題の探し方の章で紹介しているので、参考にしてみてください。
【注意】正直に伝えるのがNGな内容
「人間関係が悪かった」「給料をアップしたい」など、前職への不満や待遇面の理由を伝えるのはNGです。
応募先の企業としては業務内容を理解し、長く勤めてくれる人を求めているため、待遇や人間関係など表面的なものではなく、業務に関係する志望動機の方が評価が高まる傾向があります。
NGな内容しか浮かばない場合は…?
人間関係や待遇の改善が目的であっても、転職先を選ぶ決め手は、ほかにもあるのではないでしょうか?
たとえば「給料がいいし、今の自分のスキルでも問題なく働けそう」といった具合に、実はほかの視点でも絞り込んでいないか思い出してみましょう。
上記の例では、今の自分のスキルを活かせそうという部分を膨らませてるのがポイント。「評価される(=給料がいい)職場で、自分のスキルを発揮したい」といった表現にすることで、ポジティブな志望動機として伝えることができます。
2.その結論に至った背景やエピソード
志望した理由を補足するために、どういう背景・考えでその結論に至ったかを、エピソードを交えて伝えます。
基本的には、直近の職場では叶えられなかったことを、応募先なら実現できるという流れでまとめるのが定番です。下記の3点にそって、考えを整理しましょう。
先ほどの例文の場合は、下記のように要素を整理しています。
A)現職では5,000万円規模の案件にて、現場監督として全体的な取りまとめを担っていました。
B)一人で現場を任せていただき、学びも多かったのですが、視野を広げるためにも、需要が高まっている改修案件の経験を積みたいと考えて転職を決意しました。
C)そんなときに貴社の求人を拝見し、希望する現場の経験を多く積める点に魅力を感じました。
3.入社後の意気込み
志望動機の締めとして、入社後の意気込みを記入します。
下記の定型句をベースに、どう貢献したいか・どんなことに挑戦したいかを記入し、熱意を伝えましょう。
何を書けばいい?話題の探し方
志望動機で何を書けばいいか悩んだときは、下記の3ステップにそって話題を見つけてみましょう。
ステップ1:方向性(叶えたいこと)を定義する
志望動機の基本的な考え方は「いま実現できていない望みを叶えるために、転職する」というものです。
そのため、まずは自分の転職の方向性(叶えたいこと)を定義しましょう。
志望動機の方向性で定番のものは7種類。自分にあてはまるものがないか、確認して選んでみてください。これが1.志望した理由(結論)で伝える内容の軸になります。
ステップ2:応募先を選んだ根拠を伝える
志望動機では、応募先を選んだ根拠を伝えると、しっかり下調べをしていることが採用担当者に伝わります。
「○○という特徴のある貴社なら、○○を叶えることができると考え、応募いたしました」と書くための材料として、下記のような情報を集めましょう。
この内容は、2.その結論に至った背景やエピソードのC.応募先のどんな特徴が、自分の叶えたいこととマッチするのかを書く際に役立ちます。
〈応募先を選んだ根拠の記入例〉
- 超高層ビルの建設に強みをもつ貴社なら、大規模案件の経験を積めると考え、応募いたしました。
- 元請での受注が多い貴社なら、現在よりも発注者に近い立場での経験を積めると考え、応募いたしました。
- 現職では取得したスキルが評価されていなかったのですが、自身のスキルを評価していただける制度がある貴社ならモチベーション高く働け、さらに今後のスキルアップにも前向きになれると考え、応募いたしました。
- 地域の福祉施設や病院の案件を多数手がけている貴社なら、地域に貢献したいという自分の希望と合致すると考え、応募いたしました。
ステップ3:活躍を期待させる実績を探す
応募先を選んだ根拠とあわせて、入社後の活躍を期待させる実績も伝えるようにしましょう。
実績と聞くと華々しい成果が必要だと思われがちですが、特別感は無くてOK。どんな案件で、どのような仕事を任されてきたのかを書くだけで、あなたのスキルはしっかり伝わります。
下記の例のように、案件の規模やポジションなどは数字・名称を使って具体的に伝えると効果的です。
〈実績の記入例〉
- 現職では5,000万円規模の案件にて、現場監督として全体的な取りまとめを担っていました。
- 6年間にわたり、現場監督のポジションで、マンションや複合ビルにおける空調衛生設備の施工管理を担当しました。元請・下請どちらも経験しており、顧客から職人まで、多くの関係者との折衝の経験を積んでおります。
- 現職では新築住宅の建設工事に携わっており、施主との折衝も担当しております。信頼関係の構築を大切にしており、施主との対話や報告を密に行うなど、コミュニケーションの強化に努めて参りました。
実績を明確に伝えることで、2.その結論に至った背景やエピソードのC.応募先のどんな特徴が、自分の叶えたいこととマッチするのかに、納得感を増すことができます。
志望動機の記入が終わったら…
志望動機の記入が終わったら、引き続き書類作成を続けましょう。
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(セコカンプラス編集部)