【すぐわかる】退職後に必要な健康保険・年金・税金の手続き一覧

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退職後に1日でも離職期間がある場合は、健康保険・年金・住民税などの手続きが必要です。

この記事では、必要な手続きの一覧と、各手続きの対応方法をわかりやすく解説しています。

まずは、何の手続きが必要なのかを確認しよう

退職後に必要な手続きは、転職先に入社するまでの期間によって異なります。パターンは次の3つ。なお、退職日の翌日に転職先に入社する場合は、いずれの手続きも不要です。

〈退職後に手続きが必要な3つのパターン〉

  1. 退職後1ヵ月以内に転職先に入社する
  2. 退職後1ヵ月以上後に転職先に入社する
  3. 転職先が決まっていない

どのパターンに当てはまるかによって必要な手続きのラインナップが異なるため、次の図で確認しましょう。

【退職後に必要な手続きは?】(1)退職後1ヵ月以内に転職先に入社する /A. 健康保険の切り替え手続き/B. 年金の切り替え手続き/※ 退職後1ヵ月以内に入社する場合でも、給与締日などの関係で住民税の手続きが必要となる可能性も。念のた転職先の会社に確認しておくと安心です。 |(2)退職後1ヵ月以上後に転職先に入社する /A. 健康保険の切り替え手続き/B. 年金の切り替え手続き/C. 住民税の手続き |(3)転職先が決まっていない /A. 健康保険の切り替え手続き/B. 年金の切り替え手続き/C. 住民税の手続き/D. 失業給付の手続き /※いずれのケースでも、年内に転職先に入社しなかった場合や入社したものの給料の支払いがなかった場合は、「E.確定申告の手続き」も必要となります。

A.健康保険の切り替え手続き

健康保険の切り替え手続きは、退職後14日以内もしくは20日以内に対応する必要があります。

切り替えパターンは3つあり、それぞれ保険料が異なるため、支払う金額が最も安くなるものを選ぶのがおすすめです。

対応時期/退職後14日以内 もしくは 20日以内 |切り替えパターン/1.国民健康保険に切り替える/独身の場合は「2.任意継続」より保険料が安くなるケースが多い/2.これまで加入していた健康保険を任意継続する/扶養家族がいる場合は「1.国民健康保険」より保険料が安くなるケースが多い/3.家族の扶養に入る/保険料の支払いが免除される

国民健康保険に切り替える場合の対応

国民健康保険とは、都道府県や市区町村が運営する健康保険のこと。

国民健康保険の保険料は、前年の収入によって決まります。なお、扶養家族がいる場合は人数分の保険料を支払う必要があるため注意しましょう。

対応時期 退職後14日以内
手続き方法 居住地の国民健康保険担当窓口で手続きを行う
必要なもの
  • 身分証明証
  • マイナンバーカードもしくは通知カード
  • 健康保険資格喪失証明書

これまで加入していた健康保険を任意継続する場合の対応

退職後、最大で2年間はこれまでと同じ健康保険に加入し続けることもできます。

健康保険を任意継続する場合、これまで会社が負担していた分の保険料も自分で支払う必要があるため、これまでの収入によっては最大で保険料が2倍となる点に注意が必要です。

なお、国民健康保険と異なり扶養家族の保険料はかからないため、扶養家族が多い場合はトータルの保険料が安くなる傾向があります。

対応時期 退職後20日以内
手続き方法 【協会けんぽに加入している場合(主に中小企業が加入)】

居住地を管轄する協会けんぽ支部に必要資料を郵送するか、窓口で手続きを行う

【健康保険組合に加入している場合(主に大企業が加入)】

各健康保険組合で手続きを行う

※加入している健康保険がどちらに当てはまるかわからない場合は、保険証の「保険者氏名」に書かれている名称で検索しましょう。各団体のホームページにアクセスすると、手続き方法を確認できます。

必要なもの
  • 任意継続被保険者資格取得申出書
  • 被扶養者届(扶養家族がいる場合)

家族の扶養に入る場合の対応

退職後1年間の見込み年収が130万円以内なら、両親や配偶者などの扶養に入ることもできます。この場合、保険料を支払う必要はありません

対応期限 退職後すぐ
手続き方法 扶養者となる家族が勤務先で手続きを行う
必要なもの
  • 任意継続被保険者被扶養者(異動)届
  • 雇用保険銃資格者証もしくは離職票のコピーなど、離職の事実が証明できるもの
  • 所得証明書や源泉徴収票など、収入を証明できるもの

B.年金の切り替え手続き

年金の切り替え手続きは、退職後14日以内に対応する必要があります。

基本的には国民年金に切り替えることになりますが、配偶者がいる場合は扶養に入れるケースもあります。

対応時期/退職後14日以内|切り替えパターン/1.国民年金に切り替える/2.配偶者の扶養に入る/退職後1年間の見込み年収が130万円以内の場合のみ扶養に入れる/年金の支払いが免除される

国民年金に切り替える場合の対応

退職後に離職期間がある場合、これまで給料から天引きされていた年金を、国民年金に切り替えて納める必要があります。

対応時期 退職後14日以内
手続き方法 マイナポータルを利用してオンライン申請を行うか、居住地の役所・役場で手続きを行う
必要なもの
  • 身分証明書
  • マイナンバーカードもしくは通知カード
  • 年金手帳もしくは基礎年金番号通知書
  • 退職証明書や離職票など、退職日がわかるもの

配偶者の扶養に入る

退職後1年間の見込み年収が130万円以内かつ、配偶者が会社員で厚生年金を支払っている場合は、配偶者の扶養に入ることができ、年金の支払いが免除されます。なお、健康保険とは異なり、配偶者以外の家族の扶養に入ることはできません。

対応期限 退職後すぐ
手続き方法 扶養者となる配偶者が勤務先で手続きを行う
必要なもの
  • 年金手帳もしくは基礎年金番号通知書
  • 退職証明書もしくは離職票のコピー

C.住民税の手続き

退職後は給料から住民税の天引きがされなくなるため、支払い方法を変更する必要があります。退職月によって支払い方法が異なるため、自分が当てはまる内容を確認しておきましょう。場合によっては退職前に会社での手続きが必要となることもあります。

対応時期/退職前後|支払い方法 【1~5月に退職する場合】 最後の給料から一括で天引きされる【6~12月に退職する場合】1.コンビニや銀行などで定期的に支払う「普通徴収」に切り替える/2.最後の給料から一括で天引きしてもらう/退職日までに人事担当者に相談する必要アリ

1~5月に退職する場合の対応

1~5月に退職する場合は、5月までの住民税が最後の給料から自動的に天引きされるため、基本的には手続き不要です。

ただし、最後の給料や退職金の合計額よりも住民税のほうが高い場合は天引きできないため、コンビニや銀行などで支払う普通徴収に切り替えて支払う必要があります。この場合、自宅に住民税納付書が届くため、漏らさず対応するようにしましょう。

また、その後も離職状態が続くなら、6月以降の住民税は普通徴収で支払う必要があります。この場合も自宅に住民税納付書が届くため、コンビニや銀行で支払うようにしましょう。

6~12月に退職する場合の対応

6~12月に退職する場合の支払い方法は2パターンで、コンビニや銀行で支払う普通徴収に切り替えるか、最後の給料から一括で天引きしてもらうことになります。なお、特に手続きをしなかった場合は、自動的に普通徴収へと切り替わります。

対応時期 退職前後
手続き方法 【コンビニや銀行などで定期的に支払う普通徴収に切り替えたい場合】

手続きは不要。自宅に住民税納付書が届いたタイミングでコンビニや銀行などに行き支払いをする

【最後の給料から天引きしてもらいたい場合】

退職日までに、人事担当者に「一括で天引きしてほしい」と伝えておく

D.失業給付の申請手続き

退職後に失業給付を受給したい場合は、できるだけ早く申請手続きするのが大切。倒産や解雇といった会社都合の退職なら申請から1週間程度で受給できますが、自己都合退職なら受給までに最短で3ヵ月程度かかります

対応時期 退職後できるだけ早く
手続き方法 下記の流れで対応する。

  1. 居住地を管轄するハローワークで手続きをする
  2. 受給説明会に出席する
  3. 求職活動の報告などを行う
必要なもの
  • 雇用保険被保険者離職票
  • マイナンバーカードもしくは通知カード
  • 身分証明書
  • 証明写真(縦3cm×横2.4cm)
    ※マイナンバーカードがあれば不要
  • 本人名義の通帳もしくはキャッシュカード

ハローワークで手続き後のスケジュールなど、くわしい内容はハローワークインターネットサービスの案内を参考にしてください。

E.確定申告の手続き

確定申告の手続きが必要なのは、年内に再就職しなかった場合や、転職先に入社したものの年末までに給料の支払いがなかった場合など、会社の年末調整を受けられないとき。この場合、1年間の所得を自分で税務署に申請する必要があるため、忘れず対応するようにしましょう。

対応時期 退職した翌年の2月16日~3月15日
手続き方法 下記いずれかの方法で対応する。

  1. e-Taxを利用してオンラインで手続きを行う
  2. 居住地を管轄する税務署で手続きを行う
  3. 地域の確定申告会場で手続きを行う
必要なもの
  • 確定申告書
  • 源泉徴収票
  • 社会保険料・医療費・生命保険料などの控除証明書

(セコカンプラス編集部)

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