主要サブコン16社が公表している2021年度の有価証券報告書をもとに、サブコン売上高ランキングを作成しました。
この記事のポイント
- サブコン売上高トップはきんでん
- 売上高がアップした企業は11社で、全体としては増加傾向
- 営業利益も増益の企業が多い
サブコン16社の売上高
まずは、サブコン16社の2021年度の売上高を一挙に紹介します。
各社の有価証券報告書をもとに作成。
2021年度は、前年度から売上高がアップした企業が11社と、全体的に好調となっています。各社の決算資料によると、公共工事・民間工事ともに、コロナ禍からの持ち直しが表れているようです。
全体的に好況な一方で、2位の関電工と3位の九電工の売上高は、前年度よりダウンする結果に。特に関電工は前年度比マイナス10.9%となっており、減少が目立っています。
トップはきんでんで、売上高5,668億円
2021年度のランキングトップはきんでんで、売上高は5,668億円でした。売上高の伸びは1.9%とわずかですが、前年度に続いてトップを維持しています。
売り上げを支えているのが一般電気工事の受注で、医療施設や事務所ビル(データセンター含む)をはじめとした案件が増加しています。その背景には、コロナ禍における医療サービス提供の強化や、在宅勤務・リモート勤務関連施設のニーズの高まりがあるようです。
2位の関電工は、なぜ大幅減収?
2位の関電工は、会計基準の変更により完成工事高の計上タイミングがずれたことで、決算上の売上高は大幅減少。売上高は前年度比マイナス10.9%の4,956億円となりました。なお、会計基準をそろえた場合、前年度の売上高は5,560億円から5,129億円になり、前年度比の値はマイナス3.4%となります。
なお受注高ベースでは、得意先である東京電力グループを中心として順調に推移しています。なかでも屋内線・環境設備工事や配電線工事の受注は、例年以上のペースを記録しました。
サブコン各社の営業利益は?
売上高は全体的に増加傾向でしたが、営業利益も同じく好調なのでしょうか?
サブコン16社の営業利益をまとめたところ、前年度より営業利益がアップした企業は11社、ダウンした企業は5社でした。全体の過半数が増益であり、業界全体としては営業利益も増加傾向にあるようです。
それでは、さきほどの売上高ランキングに営業利益を追加したものを見ていきましょう。
各社の有価証券報告書をもとに作成。
高砂熱学工業が大幅増益
営業利益の伸びが目立ったのは空調設備を主力とする高砂熱学工業で、営業利益は前年度比16.9%アップの144億円でした。
増加の要因としては、大都市圏の再開発が好況だったことや、製造業を中心とした設備投資の持ち直しが挙げられます。加えて、大型工場の空調案件を中心に計画的な受注を実施しており、受注高も前年度から18.3%増加しました。
来年度にかけても、再開発案件・大型工場案件の進捗は順調な見込み。生産性向上や施工体制の強化といった取り組みも行うことで、さらなる増収増益を見込んでいます。
売上高1位のきんでんは、営業利益が大幅減少
売上高では1位だったきんでんですが営業利益は大きく落ち込み、前年度比マイナス13.6%の371億円でした。
完成工事高は増加しているものの、受注競争の激化による受注時の採算性の低下などが影響し、減益に転じている状況。ウクライナ情勢などを背景に資材価格の高騰が進んでおり、今後も採算性低下への対策が余儀なくされています。
日本電設工業の減少幅が大きい
営業利益が前年度比で最も減少していたのは日本電設工業で、前年度比マイナス47.5%の75億円でした。
減収減益の要因として、コロナ禍の旅客収入減少を受けて主要取引先である鉄道各社が設備投資を抑制した影響が大きかった様子。また、民間工事の低価格化により、工事採算性が低下しているといった事情もあったようです。
サブコン年収ランキング|16社のなかで、トップになったのは?
(セコカンプラス編集部)