2020年10月の改正建設業法によって新設された「監理技術者補佐」の制度。
この記事では、監理技術者補佐の定義や配置できる現場の条件、資格要件をわかりやすくまとめました。
監理技術者補佐とは
監理技術者補佐とは、監理技術者に代わって配置する技術者のこと。監理技術者の専任が必要だった建設工事でも、監理技術者補佐を配置することで、監理技術者が複数の工事現場を兼任することが可能になりました(原則2ヵ所まで)。
監理技術者補佐として配置された技術者は、監理技術者の指導のもと補佐として施工計画の作成、工程管理、品質管理、技術指導の業務を担います。なお、監理技術者補佐は工事現場に専任で配置する必要があるので注意しましょう。
監理技術者補佐を配置できる現場は?
監理技術者補佐を配置できるのは、これまで専任の監理技術者を置く必要があった請負金額が4,000万円(建築一式工事については8,000万円)以上の工事です。
なお、発注者によっては、監理技術者補佐を配置できる条件が細かく定められているケースも。たとえば兼任する現場間の距離や、設計金額などの条件が定められている場合があります。くわしい条件は、契約書類や発注者のホームページで確認しましょう。
発注者による追加条件の例
- 工事現場の間隔が10km程度の、近接した工事であること(県内工事に限る)
- 単体企業で受注している工事の当初設計金額が、土木一式工事の場合は3億円未満、PC上部工事の場合は1億円未満であること ……など
監理技術者補佐の資格要件は?
監理技術者補佐として配置する人は、下記の条件1~3をすべて満たす必要があります。
1. 配置する工事の業種に対応した、主任技術者の資格を持っている
▼主任技術者の資格要件は、下記の記事で解説しています。
主任技術者に必要な資格・実務経験は?
2. 下記のいずれかの資格を持っている
- 1級施工管理技士補
- 1級施工管理技士などの国家資格
- 監理技術者の資格(学歴や実務経験により取得)
3. 建設業者と恒常的な雇用関係がある
恒常的な雇用関係とは、下記2つの条件を満たす人のことを指します。
- 一定期間にわたり、当該建設業者に勤務している(国、地方公共団体や公共法人などの案件では、入札の申込み以前に3ヵ月以上の雇用関係が必要)
- 日々、一定時間以上職務に従事することが担保されている
条件2のうち、これから主流になりそうなのが1級施工管理技士補を監理技術者補佐として配置するパターン。
施工管理技士補は、監理技術者不足の解決策として新設された資格です。2021年度以降に1級施工管理技術検定の第一次検定を合格すれば現場に配置できるため、人材活用の観点からも注目されています。
(セコカンプラス編集部)