「先月はあれだけ働いたのに、この給料か……」と、労働時間と給料の見合わなさに不満を抱えている施工管理は少なくないのでは。
今回セコカンプラス編集部では、ゼネコンで働く施工管理の給与明細に書かれている残業時間と実際の残業時間を比べることで、施工管理のサービス残業実態を調査しました。その結果見えてきた、ありのままの残業事情をお伝えします。
給与明細上の残業時間は平均36.6時間
今回の調査対象となったゼネコンで働く施工管理のデータをまとめたところ、給与明細上の残業時間(※)の平均は36.6時間(平均年齢41.6歳)でした。
※給与明細に記載されている時間外労働に関連する項目(平日の時間外労働、深夜残業、休日労働など)をすべて合算して算出しました。
内訳をくわしく見てみると、最も多いのは21~40時間で、2番目に多いのは20時間以下となっています。
施工管理は厳しい工期設定や人手不足などが原因で、労働時間が長くなることも珍しくない仕事ですが、給与明細を見る限りでは残業が40時間を下回る人が過半数を超えており、20時間を切る人も3割近くいるという結果になりました。
実際の残業時間は……?
施工管理として働く方から、「会社が残業時間の上限を定めているので、超えないよう少なめに申告している」という声もよく耳にします。給与明細に書かれている残業時間の平均は36.6時間でしたが、実際の残業時間はどのくらいなのでしょうか。
給与明細とあわせて寄せられた自己申告の残業時間を集計したところ、平均は44.5時間。自己申告している残業時間よりも、給与明細に記載されている残業時間のほうが7.9時間少ないという結果になりました。
50時間以上のサービス残業をしている人が8%
給与明細に書かれている残業時間とセコカンプラスに自己申告している残業時間の差、すなわちサービス残業の時間をまとめたところ、10時間以内が最も多く全体の38%を占めていました。
次いで多いのは、サービス残業をしていない人で30%。正規の残業時間を申告できる人も一定数いると判明しました。
一方、50時間以上のサービス残業をしている人が8%いるという事実も明らかに。今回の調査によると、給与明細に書かれている残業時間とセコカンプラスに自己申告している残業時間の差は最大で60.3時間でした。こちらの回答をした人は、給与明細上の残業時間は約60時間でしたが、自己申告の残業時間は月平均で120時間となっていました。
サービス残業はいうまでもなく違法ですが、勤務先によっては残業を過小報告せざるを得ない実態もあるとわかりました。
この実態をどう感じてる?施工管理の生の声
最後に、今回の調査対象となった施工管理から給与明細とともに寄せられた、サービス残業に関する生の声(抜粋)を紹介します。
給料はもらっているが、残業代で稼いでいるのが現実。残業代も暗黙の了解で80時間までしかつけられないが、100時間程度やっている月もある。
(20代/建築施工管理)
不当な残業管理がある。支払われるのであれば休日労働はいとわない。
(20代/建築施工管理)
残業支給額が決められている。満額はもらえない。勤務時間と給料の対価が妥当か疑問。
(30代/土木施工管理)
セコカンプラスに寄せられた給与明細画像からは、残業実態だけではなく基本給や各種手当の具体的な金額などもわかります。ぜひ、まわりの施工管理がどのような待遇で働いているのかをチェックしてみてください。
みんなの待遇は自分よりいい?悪い?施工管理のリアルな給与明細を見てみる
(セコカンプラス編集部)