建設業法で配置が義務付けられている、監理技術者。
この記事では法令の要点をかみくだいて「監理技術者が必要な工事」と「監理技術者になれる人の要件」をスマートに解説します。
監理技術者が必要な工事
監理技術者の配置が義務付けられる工事の要件は2つです。(1)発注者との関係、(2)請負代金の合計額を確認し、監理技術者の配置が必要か判断しましょう。
2つの要件を満たした現場では、原則として監理技術者を1現場につき1名配置する必要があります。
監理技術者の「専任」について
請負金額・工事の内容に関する2つの要件に当てはまる工事現場では、例外を除いて専任で監理技術者を配置する必要があるので注意してください。
「公共性のある施設・工作物、または多数の者が利用する施設・工作物に関する重要な工事」とは?
- 国または地方公共団体が注文者である施設・工作物
- 鉄道、軌道、索道、道路、橋、護岸、堤防、ダム、河川に関する工作物、砂防用工作物、飛行場、港湾施設、漁港施設、運河、上水道・下水道
- 電気事業用施設(発電、送電、配電、変電そのほかの電気施設)
- ガス事業用施設(ガスの製造・供給のための施設)
- 下記の施設・工作物
- 「石油パイプライン事業法」第五条第二項第二号に規定する事業用施設
- 「電気通信事業法」第二条第五号に規定する電気通信事業者が、同条第四号に規定する電気通信事業に用いる施設
- 「放送法」第二条第二十三号に規定する基幹放送事業者、または同条第二十四号に規定する基幹放送局提供事業者が、同条第一号に規定する放送に用いる施設(鉄骨造・鉄筋コンクリート造の塔、その他これに類する施設に限る)
- 学校
- 図書館、美術館、博物館または展示場
- 「社会福祉法」第二条第一項に規定する社会福祉事業に用いる施設
- 病院または診療所
- 火葬場、と畜場または廃棄物処理施設
- 「熱供給事業法」第二条第四項に規定する熱供給施設
- 集会場または公会堂
- 市場または百貨店
- 事務所
- ホテルまたは旅館
- 共同住宅、寄宿舎または下宿
- 公衆浴場
- 興行場またはダンスホール
- 神社、寺院または教会
- 工場、ドックまたは倉庫
- 展望塔
参考:国土交通省「監理技術者制度運用マニュアル(PDF)」
例外として、監理技術者の「兼務」が認められるケース
2020年10月1日に施行された改正建設業法では、専任の監理技術者が必要な工事現場であっても、監理技術者補佐を専任で配置することで監理技術者が複数現場を兼務できるようになりました(※)。
くわしい条件については、下記のページで解説しています。
監理技術者になれる人は?
監理技術者になれるのは、原則として建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にある人のみです。そのうえで、特定の資格や実務経験を有している必要があります。
なお必要な資格などは、申請する工事が指定建設業の7業種(※1)か、それ以外の22業種(※2)かによって異なるので注意してください。
※1:土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業の7業種のこと
※2:大工、左官、とび・土工、石、屋根、タイル・れんが・ ブロック、鉄筋、しゅんせつ、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上、機械器具設置、熱絶縁、電気通信、さく井、建具、水道施設、消防施設、清掃施設、解体の22業種のこと
必要な資格・実務経験の詳細は、こちらの記事をチェック!
(セコカンプラス編集部)