「施工管理って、割に合わない仕事ですよね……」
施工管理の方々がよく口にする言葉ですが、実際どうなのでしょうか?
セコカンプラスで施工管理1,492名へのアンケートを実施し、収入・満足度について本音をまとめてみました。
アンケートの概要
求人サイト『建設・設備求人データベース』の登録者にアンケートを送信し、現役の施工管理1,492名が回答した。
調査期間:2020年3月4日~3月11日
約9割の施工管理が会社員の平均年収以上
国税庁の調査によると、日本の会社員全体の平均年収は436万円。一方で、施工管理の平均年収は615万円(セコカンプラス調べ)です。施工管理は会社員の平均より200万円近く稼げている「勝ち組」側の職種と言えるでしょう。
実際、アンケートに回答した施工管理の約88%が、会社員の平均年収以上の収入を手にしています。
また、一部の人が特別に稼いでいる訳ではない点もポイント。年収600万円以上の人が全体の約60%を占めています。データだけ見ると、施工管理は稼ぎやすい恵まれた職業と言えるかもしれません。
20代でも、年収は会社員の平均以上
次に、年代別に平均年収を見てみると、下積み時代と言われる20代でも、会社員の平均年収以上の収入を得ていることが分かります。
一方で、施工管理の平均年収(年収600万円台)に届くのは、40代になってから。経験を積むほどに給与が上がっていく傾向のある職種のようです。
ただし「満足度」は高くない
会社員よりも稼ぎやすい仕事ではありますが、蓋を開けてみると満足度はそこまで高くないようです。
アンケート結果では、5段階評価(満足・やや満足・まあまあ・やや不満・不満)で平均して「まあまあ」という結果に。全体的に見ても年代別で見ても、この傾向は変わりません。
回答を見ると、「まあまあ」の人を中心に、不満・満足と答えた人がほぼ同数いることがわかります。
高収入でも不満な理由は…?
アンケート結果から分かったのは、高収入でも不満な理由の大半が「収入が働きに見合っていない」と思っている事実。収入と残業時間・休日数を天秤にかけると、割に合わないと感じている様子です。実際、満足と答えている人の多くが「プライベートとのバランスが良好」といったコメントを残していました。
また、高収入ではなくても「家族との時間が取れる/定時で帰れるから、満足」というコメントも目立ちました。働き方とのバランスが取れてはじめて「満足」だと感じられるのかもしれません。
「不満」「やや不満」と答えた人のホンネ
そこそこ貰っているが、それ以上に残業が長い。高給取りのトンネル坑夫と変わらない仕事環境だと思う。
(ゼネコン勤務/25歳/年収510万円)
他の会社より給与水準はいいほうだと思うが、残業手当が付かないのが不満。拘束時間が長いので時給換算をすると安月給。
(プラント・エネルギー系勤務/46歳/年収970万円)
繁忙期には月200時間の残業もしたことがあるが、残業代が全額支払われる訳ではない。お金より休みが欲しい。閑散期はほとんどない。
(サブコン勤務/47歳/年収1,170万円)
「まあまあ」と答えた人のホンネ
残業を非常にしているため給料は高いが、時間単価が低いため見合っていない。
(サブコン勤務/26歳/年収650万円)
残業代が全ては支払われないので、仕事量を考えると不満です。
(ゼネコン勤務/56歳/年収695万円)
金額的にはそこそこだと思う。会社の福利厚生も充実しているが、仕事量や内容、貢献度を考えると100%満足はしていない。
(不動産管理会社勤務/56歳/年収702万円)
「満足」「やや満足」と答えた人のホンネ
給料、福利厚生、休日どれをとっても優遇された会社。働き方改革の一環として「残業時間削減」「月一回の有給消化」が義務化されているため、プライベートの時間が取れる。
(建築・土木系専門工事会社勤務/33歳/年収620万円)
給料の金額は普通だが、仕事の負担は今のところ少なく満足している。トラブル時と繁忙期を除けば定時で帰れることがほとんどであり満足している。
(プラント・エネルギー系勤務/39歳/年収550万円)
給与に関しては満足しています。残業をやった時間の残業代もきちんと払われます。毎日、家族が起きてる時間に帰宅できるのもいいです。
(ゼネコン勤務/45歳/年収850万円)
高収入?施工管理のホンネと現実
会社員の平均年収と比べると、200万円以上多く稼げている施工管理。高収入と言えるものの、残業・休日出勤前提の働き方になっているため、満足度は低いようです。
大手ゼネコンを中心に働き方改革が進んでいる昨今、施工管理の働き方はどう変わるのでしょうか? セコカンプラスでは、引き続き施工管理の働き方と給与の現状を見ていきたいと思います。
(セコカンプラス編集部)