1級建築施工管理技士は、2級建築施工管理技士と比べてどれだけ多く稼げるのか? セコカンプラスが実施したアンケートをもとに、リアルな結果をまとめました。
調査方法の概要
求人サイト『建設・設備求人データベース』の登録者にアンケートを送信し、現役の施工管理1,492名が回答。このうち、建築施工管理技士の資格を保有している人472名のデータをもとに算出した。
調査期間:2020年3月4日~3月11日
1級と2級の年収差、100万円以上
アンケートの結果、1級建築施工管理技士の平均年収は690.6万円なのに対し、2級建築施工管理技士の平均年収は585.0万円でした。
その差は実に105.6万円。1級の資格を持っている人は、2級と比べて100万円以上多くの年収を手にしていると判明しました。
2級建築施工管理技士の平均年収も会社員全体の平均年収(436.4万円・2019年度国税庁調査)と比べて高く、決して低い水準ではありません。しかし、持っている資格に応じて年収が変わることは明らかです。
1級の4人に1人が年収800万円超え
1級の年収が高いとはいえ、一部の稼げている人が平均年収を引き上げている可能性も。続いて、1級建築施工管理技士一人ひとりがどのくらいの年収を手にしているのかを調査し、グラフにまとめてみました。
内訳を見ると、年収800万円超えが4分の1以上いると判明しました。年収800万円といえば、ほかの業界・職種を含めた会社員全体でも10人に1人しか到達しない勝ち組ライン。
大台の1,000万円に乗っている人も1割近くおり、1級建築施工管理技士は稼げる資格と言っても過言ではないようです。
では、2級建築施工管理技士の年収内訳は? こちらもグラフにまとめました。
2級建築施工管理技士の平均年収は500~600万円がボリュームゾーン。年収600万円未満の層が半数以上を占めています。
年収が800万円を超えている人の割合は全体の15%未満でした。1,000万円を超えている人も0.9%と、1級と比べて少なめです。
残業時間・年齢はほぼ同じ…
1級のほうが稼げているのは、残業時間が多かったり、そもそも経験年数が長かったりするからでは……?
最後に、1級建築施工管理技士と2級建築施工管理技士の残業時間と年齢を比べてみました。
結果は、平均残業時間と平均年齢ともに大きな差はナシ。1級建築施工管理技士は残業時間で稼いでるわけでも、平均年齢が高いから年収が高くなっているわけでもないようです。
1級建築施工管理技士になれば、「監理技術者」として請負代金総額が4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)の規模が大きな現場を監督できるようになります。
一方、2級建築施工管理技士が担当できるのは、この金額に満たない現場を監督する「主任技術者」まで。1級の資格を持っていれば、仕事の幅が広がるうえに責任も増すため、年収が上がる傾向にあるのでしょう。
現在2級建築施工管理技士のみなさんにとってはつらい現実かもしれませんが、1級と2級の年収差は想像以上。「もっと稼ぎたい!」と思う方は、これを機に1級建築施工管理技士を目指してみるのもいいかもしれません。
(セコカンプラス編集部)