長く働ける会社かを判断する指標のひとつとされる、平均勤続年数。ですが建設業の場合、どのくらいの年数が相場なのでしょうか?
この記事では、ゼネコン編に引き続き、サブコンの平均勤続年数を調査。平均年収のランキング記事で調査した主要サブコン16社の2020年度の有価証券報告書をもとに、各社の平均勤続年数をまとめました。
主要サブコン16社の平均勤続年数まとめ
サブコン16社の平均勤続年数をまとめたところ、最も長い企業が20.1年、最も短い企業が13.9年でした。
内訳は、勤続年数20年以上の企業が2社、19年台の企業が2社、18年台が4社、17年台が4社、16年台以下が4社となっています。
各社の有価証券報告書(2020年度)より作成
トップは朝日工業社
サブコン16社のうち、平均勤続年数が最も長かったのは朝日工業社で20.1年でした。2位がきんでんで20.0年、3位がトーエネックで19.4年となっています。
トップ3は、いずれの企業も平均勤続年数が微減の傾向。前年度から0.01年~0.1年ほど減少する結果となりました。
なお、平均勤続年数が前年度より増加した企業は16社中4社(明電舎・住友電設・サーラコーポレーション・新日本空調)のみ。そのうち最も増加幅が大きかったのが明電舎で、平均勤続年数は前年度比1年増の18.9年となっています。
最も短かったのは、日本電設工業
平均勤続年数が最も短かったのは日本電設工業で、平均勤続年数は13.9年。1位の朝日工業社とは6.2年の差がありました。
ただし、全産業の平均勤続年数と比較すると短いわけではありません。
国税庁によると、全産業の平均勤続年数は12.4年(※)で、日本電設工業が1.5年ほど上回る結果に。主要ゼネコンと同様、主要サブコンも平均勤続年数は全産業より長めであることがわかりました。
※国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」より
大きな企業ほど、平均勤続年数は長いのか?
「従業員数が多い大規模な企業ほど安定しており、勤続年数も長くなるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか?
従業員数が多い順に平均勤続年数を見てみると、従業員数が多い企業だからといって、必ずしも勤続年数は長くないことがわかります。
従業員数トップ3の企業で比較してみると、1位のきんでんと2位の関電工は、平均勤続年数19年~20年。一方で従業員数3位の九電工は2社とは大きく差があり、平均勤続年数16.4年でした。
各社の有価証券報告書(2020年度)より作成
ほかの企業も、従業員数と平均勤続年数は連動していないことがわかります。
規模が大きな企業ほど手当などの環境面が整っていることはありますが、勤続年数が長いという訳ではないようです。
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(セコカンプラス編集部)