ハローワーク、転職サイト、知人からの紹介……転職する際の方法はさまざま。ですが、建設業ではどの方法で転職する人が多いのでしょうか?
この記事では厚生労働省の雇用動向調査をもとに、建設業の転職経路(入職経路)をリサーチ。どんな転職方法がメジャーなのかをまとめました。
建設業は、どんな転職方法がメジャー?
厚生労働省の雇用動向調査によると、建設業で最も多かった転職経路は縁故(人づて、紹介など)で、全体の35.7%であることがわかりました。次いで広告(求人広告)が17.7%、3番目が職業安定所(ハローワーク)で15.5%となっています。
出典:厚生労働省「雇用動向調査(2019年)」
特筆すべきは、縁故での転職の割合が、広告経由の転職の2倍近くになっていること。2位の広告経由・3位のハローワーク経由の割合を足しても、縁故での転職割合の方が多くなっています。
建設業においては、知人からの紹介など縁故による転職がメジャーなようです。
全産業でメジャーな転職方法と比べてみると…
次に、全産業を集計したデータと建設業のデータで、転職方法を比較してみます。
全産業の集計データで最も多かった転職方法は広告経由で、全体の30.4%でした。2番目に多いのが縁故で全体の26.9%、3番目はハローワーク経由で全体の16.7%となっています。
1位・2位の割合は、全産業と建設業では大きく異なるようです。
出典:厚生労働省「雇用動向調査(2019年)」
なぜ建設業では、広告経由の転職が少ない?
建設業と全産業の集計データを比較したとき、最も差が大きかったのが広告経由の転職の割合です。建設業では17.7%なのに対して、全産業では30.4%と、12.7ポイントの差があります。
この差の原因のひとつと考えられるのが、求人広告(転職サイト)の認知度の差です。
2019年のマイナビの転職動向調査(PDF)によると、技能工・建築・土木系職種における「転職サイトの認知度」は、69.7%で、転職者全体における認知度(73.8%)と比較して4.1ポイント低いことがわかっています。
また、人材紹介会社(転職エージェント)経由での転職の認知度も34.9%と低い水準。インターネットを利用した転職活動がまだ浸透していないことも見えてきました。
(セコカンプラス編集部)