有給休暇、建設業は取りにくい?|ちょっと意外な取得率のハナシ

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有給休暇の使用は労働者の権利ですが、建設業では使いにくいという声も聞こえてきます。

実際、ほかの業界と比べてどうなのでしょうか? この記事では、有給休暇の取得率(付与された有給休暇のうち、何日取得していたか)をまとめました。

建設業の有給取得率は、約53%

2021年に公表された厚生労働省の就労条件総合調査によると、建設業の有給休暇取得率は53.2%で、付与された有給のうち半分は取得できていることがわかりました。内勤系職種の人も含んだデータであるため、施工管理の視点だと取得率がやや高めに見えるかもしれません。

一方、主要16産業の中で建設業の取得率は11位にあたり、低めの部類に入っていることがわかります。

産業別 有給休暇の取得率 1位:電気・ガス・熱供給・水道業 73.3%、2位:情報通信業 65.1%、3位:鉱業、採石業、砂利採取業 63.9%、4位:製造業 61.6%、5位:サービス業(他に分類されないもの) 58.5%、7位:不動産業、物品賃貸業 58.3%、6位:学術研究、専門・技術サービス業 58.3%、8位:医療、福祉 58.0%、9位:金融業、保険業 57.3%、10位:運輸業、郵便業 55.1%、11位:建設業 53.2%、12位:生活関連サービス業、娯楽業 51.9%、14位:卸売業、小売業 48.6%、13位:教育、学習支援業 48.6%、15位:複合サービス事業 47.7%、16位:宿泊業、飲食サービス業 45.0%

出典:厚生労働省「令和3年就労条件総合調査

なお、有給休暇の取得率が最も高かったのは「電気・ガス・熱供給・水道業」で73.3%。最も取得率が低かった「宿泊業、飲食サービス業」は45.0%で、最も高い産業とは28.3ポイントの差があります。

建設業と取得率が近いのは「運輸業、郵便業」「生活関連サービス業、娯楽業」など、接客・サービスに関わる産業のようです。

取得率は、過去7年で改善傾向だが…

有給休暇の取得率が低い部類に入る建設業ですが、2015年~2021年の7年間では改善傾向にあります

2015年~2021年の取得率の推移を見ると、2015年が38.1%だったのに対し、2021年度は53.2%にまで改善。この7年間で15.1ポイント改善していることがわかりました。

建設業 有給休暇の取得率は、改善傾向 7年間で、15.1ポイント改善 2015年 38.1%、2016年 38.2%、2017年 38.0%、2018年 38.5%、2019年 43.3%、2020年 44.9%、2021年 53.2%

出典:厚生労働省「就労条件総合調査(2015年~2021年)データより作成

取得率の改善が始まったのは2019年頃。ちょうど働き方改革の一環として有給休暇取得の義務化がスタートした年と一致します。

とはいえ、有給休暇の取得日数の少なさには課題が残っている状況。日建協の時短アンケート(2020年)によると、建設業の年間有給休暇取得日数は全産業より9日ほど少ないことがわかっており、取得しやすいとは言いにくいようです。

建設業でも時間外労働の上限規制が見直される2024年に向けて、働き方の改善は進んでいく見通し。改善の内容のひとつに適正な工期設定も掲げられており、有給休暇を取得しやすい環境の整備に期待が持たれます。

(セコカンプラス編集部)

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