施工管理ってどんな仕事?リアルな残業・年収事情も全解説

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施工管理とはどのような仕事なのか、具体的な仕事内容やリアルな残業・年収事情、必要な資格などを解説します。

施工管理って、どんな仕事?

主な仕事は建設現場の4大管理

施工管理とは、建物の建設工事や道路・トンネル・橋を作る土木工事、電気設備工事などの現場を管理・監督する仕事です。

工事を決められた工期・予算内で安全に完了させることがミッションで、主な仕事は4大管理と呼ばれています。

施工管理の4大管理とは?

  • 工程管理…決められた工期内で工事が完了するよう、進捗管理をする
  • 安全管理…建設現場で事故が起こらないよう、予防やパトロールを行う
  • 品質管理…建設物の品質(強度や材質、サイズ、外観など)が求められる水準に達するよう、作業のチェックや検査をする
  • 原価管理…工事が予算内に収まるよう、資材の発注や追加工事のスケジューリングなどを行う

なお、実際に建設作業をするのは工事作業員(職人)なので、施工管理が作業を行うことは基本的にありません。

施工管理の仕事には、どんな魅力がある?

工事現場を管理・監督する仕事にはどのような魅力があるのか、実際に働いている施工管理の声をもとにまとめました。

  1. 形に残るものづくりができる
    多くの施工管理が魅力としてあげるのは、やはり形に残るものづくりができるということ。何もないところから作りあげた建造物が竣工したときの達成感が大きいのはもちろん、地図上に自分が関わったものが残ることも醍醐味のひとつです。
  2. 人の生活を支える仕事ができる
    施工管理は、住宅やオフィスなどの建設はもちろん、公共工事に携わることも少なくありません。人々の生活を支える世の中になくてはならない仕事のため、「社会の役に立てている」と実感できるのも魅力です。
  3. 外で身体を動かす仕事ができる
    施工管理は現場の司令塔として工事を管理・監督する仕事なので、日中は外で働くのが基本。現場を歩いて安全パトロールをしたり検査業務を行ったりと身体を動かすことは少なくないので、「デスクワークは苦手かも……」と思う方には、魅力に感じられる点だと言えるでしょう。

施工管理の一日のスケジュール

実際、施工管理はどのように働いているのでしょうか。とある入社3年目の若手施工管理を例に、一日のスケジュールを紹介します。

施工管理の一日は朝礼から始まるのが基本。工事が行われている日中は、現場の巡回や打ち合わせがメイン業務で、夕方に工事が終了すると資料作成などの事務作業に取り掛かります。

とある若手施工管理の一日 8:00 出社・朝礼 9:00 現場巡回 12:00 昼休み 13:00 打ち合わせ 15:00 検査の立会い 17:30 作業終了前の巡回 18:00 事務所でデスクワーク 20:30 終業

きついって本当?残業はどのくらい?

「施工管理の仕事はきつい」と言われることも少なくありませんが、実際はどのくらい働いているのでしょうか。

セコカンプラスが現役施工管理1,492名を対象に実施したアンケートをもとに、残業時間と休日数が施工管理と会社員全体ではどのくらい違うのかを調査しました。

アンケートの概要
求人サイト『建設・設備求人データベース』の登録者にアンケートを送信し、現役の施工管理1,492名が回答した。
調査期間:2020年3月4日~3月11日

【残業】平均残業時間は38.5時間

まず残業時間を比べてみたところ、施工管理は会社員全体の3倍近く残業をしていることがわかりました。施工管理の平均が月38.5時間なのに対し、会社員全体の平均は月13.0時間となっています。

施工管理の残業時間は、会社員の約3倍 施工管理38.5時間 会社員全体13.0時間

参考:厚生労働省「毎月勤労統計調査(令和2年10月分)

施工管理のなかには「過労死ライン」と言われる月80時間を超えている人も一定数おり、繁忙期の残業時間は月200時間超えの人も……。書類作成や受発注業務は定時を過ぎた工事終了後でないとできない性質上、必然的に残業が長くなってしまうのでしょう。

残業のリアルをくわしく解説

【休日数】年間休日数は100日前後

続いて休日数を比べてみたところ、施工管理の年間休日数は会社員全体よりも16日ほど少ないことがわかりました。施工管理の年間休日数の平均は100日前後なのに対し、会社員全体の平均は116日となっています。

施工管理の年間休日数は少ない 会社員全体の平均 116.0日 施工管理の平均 100日前後

参考:厚生労働省「令和2年就労条件総合調査の概況(PDF)

土曜も工事を行う建設現場は少なくないため、施工管理が完全週休2日制を実現するのは難しいのが実情。とはいえ、現在は「4週8閉所(4週間のうち、8日間は工事を行わないこと)」を目指す企業も多く、週休2日を確保できるよう業界全体として変わろうとしています。

休日のリアルをくわしく解説

実のところ、どのくらい稼げる?

【年収】施工管理の平均年収は615万円

施工管理は世間と比べて労働時間が長い実情が明らかになりましたが、その分高収入が狙える仕事でもあります。セコカンプラスの調査によると施工管理の平均年収は615万円で、会社員全体の平均年収(436万円)と比べて200万円近く多い金額となっています。

会社員の平均年収 施工管理615万円 日本の平均年収436万円

参考:国税庁「令和元年分 民間給与実態統計調査(PDF)

20代でも会社員全体の平均を上回る年収を手にできる可能性があるため、「早い段階から高収入を狙いたい」「残業が多くても稼げる仕事がしたい」という動機で施工管理を志望する人も少なくありません。

給料のリアルをくわしく解説

どうすれば施工管理になれる?資格は必要?

施工管理の仕事は無資格でもできる

施工管理の基本業務は無資格でもできるため、就職する時点で何か資格を取っておく必要はありません。実際に働いている施工管理のなかにも、無資格の人は少なからずいます。

ただし、大学や高校で建築を学んだ場合は建築施工管理、土木を学んだ場合は土木施工管理というように、専攻に合わせた分野の施工管理を目指すのが一般的となっています。

また、キャリアアップするには施工管理技士という国家資格が求められます。この資格は、主任技術者・監理技術者といった建設現場で責任のあるポジションにつくために必要なもの。会社によっては資格取得が昇進・昇格の要件になっているところもあり、施工管理として働く多くの人が目指している資格です。

施工管理技士の試験を受験するには施工管理としての実務経験が必要なため、働きながら勉強をして、合格を目指すのが基本です。

加えて、担当業務によっては電気工事士やコンクリート技士などの専門的な資格を取らなければならないケースもあります。

施工管理技士の資格は全部で7つ

施工管理技士の資格は全部で7つで、資格によって担当できる工事の種類は異なります。それぞれ、1級に合格すれば監理技術者、2級に合格すれば主任技術者になることができます。

  1. 建築施工管理技士
    主に建築物の建設・補修・改造・解体工事の施工管理に関する資格
  2. 土木施工管理技士
    道路や橋、トンネルといった土木工作物の建設・補修・改造・解体工事の施工管理に関する資格
  3. 電気工事施工管理技士
    発電・変電・送配電・機内電気設備などを設置する工事の施工管理に関する資格
  4. 管工事施工管理技士
    冷暖房・空気調和・給排水などの設備設置工事や、水・油・ガスなどを送配するための管の設置工事の施工管理に関する資格
  5. 造園施工管理技士
    庭園・公園・緑地などの築造や、道路や建築物の緑化工事などの施工管理に関する資格
  6. 電気通信施工管理技士
    有線・無線電気通信設備、ネットワーク設備などの電気通信設備を設置する工事の施工管理に関する資格
  7. 建設機械施工管理技士
    建設機械を使った工事の施工管理に関する資格

まとめ

施工管理の魅力は、生活に関わるスケールの大きなものづくりに携われること。決して楽な仕事ではありませんが、その分高収入が狙える仕事でもあります。

施工管理になるか悩んでいるのなら、「自分はどのような働き方をしたいのか」を考えたうえで挑戦するのがいいでしょう。

(セコカンプラス編集部)

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